チドリ目カモメ科カモメ属
order CHARADRIIFORMES Family LARIDAE LARUS

オオセグロカモメ(大背黒鴎) 
Larus schistisagus Slaty-backed Gill

L55〜67mW132〜148cm
留鳥及び冬鳥
海岸・港
【1】冬羽。2001.2.8大濠公園にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。
日本で見られる大型カモメ類の中で、背の色が一番濃いカモメ。
■形態
雌雄同色。夏羽では頭部から頸、体下面、尾は白く、背と翼は黒灰色。背の黒灰色はウミネコより濃い。次列・三列風切先端は幅広く白い。初列風切のP10からP5の先は黒く、先端に小さい白斑がある。P10に大きな白いミラーがあり、P9にも小さな白いミラーがある事があり、P8~P5には白い半月斑がある。初列風切の尾端からの突出はセグロカモメより短い。足はピンク色。嘴は黄色でやや大きく、セグロカモメより先端が膨らんで見える。また、下嘴の先に赤い斑がある。虹彩は淡色。
冬羽では頭部から頸にかけて灰褐色の斑が入るが、目を中心としてはいるため、目つきが鋭く見える。
幼鳥は全身褐色で、初列風切先端は淡色。嘴は黒く、虹彩も暗色。
第1回冬羽は頭部から胸にかけて白っぽく、肩羽が細い斑になる。
第1回夏羽では磨耗が進み、全身が白っぽくなる。
第2回冬羽では肩羽に黒灰色が混じり、嘴基部がピンク色になり、虹彩も淡色。
第3回冬羽では肩羽は黒灰色になり、雨覆、三列風切も黒灰色が混じる。
第4回冬羽ではほぼ成鳥冬羽に似るが、嘴に黒斑が残る。
■特徴
成鳥になるまで4年かかる。
■採餌
魚類、貝類、甲殻類、小動物等及びその死骸を餌にする。
■繁殖
断崖の岩棚や草地の地面に集団営巣する。浅いくぼみを掘り、枯草、海藻等で粗雑な皿型の巣を作る。通常2〜3個産卵し、雌雄で約25〜26日抱卵する。卵は緑色味のある淡褐色の地に暗褐色の斑があり、約7.3×5.1cm。巣立ち迄は約40日。
■鳴き声
「クゥオ」「ミャオ」と一声ずつ区切って鳴く事が多く、セグロカモメよりも濁っている。繁殖地では「クヮオッ クヮオッ」「ミャーオ ミャーオ」等と大きな声で長く伸ばして鳴く。
■亜種
亜種はない。
■分布
カムチャッカからウスリーかけての沿岸及び北海道と東北の一部のみの狭い範囲で繁殖する。日本では東北以北が留鳥で、あとは冬鳥として飛来する。
■福岡での事例
福岡では冬鳥で、10〜4月。
【室見川】河口から小田部大橋くらいまでの流域。
【大濠公園】園内の池。

【2】夏羽。2002.2.18大濠公園にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【3】幼羽。2005.11.27室見川マリナタウン人口海浜にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【4】磨耗した幼羽。2002.11.29志賀島にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【5】第1回冬羽。肩羽が錨模様のタイプ。2005.12.10室見川室住団地横にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【6】第1回冬羽。肩羽が軸斑だけのタイプ。2005.12.10室見川室住団地横にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【7】 磨耗した第1回冬羽。2002.2.18大濠公園にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【8】第1回夏羽。磨耗して全体が白くなっている。嘴基部がピンク色になっているが、虹彩はまだ暗色。2005.6.27北海道網走にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【7】第2回冬羽。虹彩が白くなっている。2003.1.17志賀島にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【8】第3回冬羽。三列風切にも灰色の成鳥羽が生えだしている。2005.12.10室見川室住団地横にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【9】第4回冬羽。殆ど成鳥冬羽に近いが、嘴に黒い斑がある。2002.12.1福岡県新宮町にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2011.9.4改