チドリ目チドリ科コチドリ属
order CHARADRIIFORMES Family CHARADRIIDAE CHARDRIUS
コチドリ(小千鳥)
Charadrius dubius Little Ringed Plover
L14〜17cm W35cm
夏鳥または留鳥
河原・水田
【1】夏羽オス。2005.6.11室見川大井出橋にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。
黄色いアイリングが目立つ小型のチドリ類。
■形態
雌雄ほぼ同色。夏羽では額は白く、前頭に過眼線に繋がる黒い帯があり、頭部の褐色との間に白色部がある。過眼線は黒く、明瞭な黄色いアイリングがある。後頸と眼から下は白く、背から続く黒い帯が、胸で繋がる。背からの上面は褐色。飛翔時に翼帯はない。胸から下は白い。嘴は黒いが、嘴基部に黄橙色のある個体もいる。足は黄色からオレンジ色がかった黄色まで。
冬羽では黒色味がなくなり、全体に淡くなる。
雌は雄の黒色部に褐色味がある。
■特徴
イカルチドリに似るが、小さく、黄色いアイリングは明瞭。飛翔時に翼帯はない。シロチドリよりは上流、イカルチドリよりは下流に棲息する傾向がある。繁殖期には偽傷を行う。
■採餌
主に昆虫等の小動物を餌にする。
■繁殖
繁殖期は番で縄張りを持ち、開けた砂地や砂礫地の地面にくぼみを付けて作られる。環境に応じて多くの小石や枯れ草等の巣材が使われる時がある。産卵期は4〜7月で通常4個産卵する。抱卵は22〜25日位。孵化した雛は半日で巣を離れ、初めから自分で餌を採る。
■鳴き声
繁殖期には「ピッピッピ、ビュービュー」等と体大きな声で鳴きながら飛びまわる。地面の上では「ピォ、ピォ、ピォ」「ピピ、ピピ」等と区切って鳴く。
■亜種
日本で繁殖するのは亜種コチドリ(C.d.curonicus)。
■分布
ユーラシア大陸亜寒帯から熱帯に広く繁殖し、アフリカ、インド、東南アジアで越冬する。日本では夏鳥として全国に渡来し、九州以北で繁殖する。本州中部以南では越冬する個体もいる。
■福岡での事例
福岡では夏鳥となっているが、そのまま越冬するのか、北から来た越冬個体なのか分からないが冬季も見られる。
【室見川】河口から井田尻橋にかけての砂地や堰の上で観察。繁殖も確認された。
【今津】瑞梅寺川河口の干潟、田尻の農耕地などで観察。

【2】夏羽オス。嘴基部に黄橙色のある個体。2004.4.9津田尻農耕地にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【3】夏羽オス。額の白色部が狭い個体。2005.3.30にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【4】夏羽メス。耳羽が褐色。2003.4.3今津田尻農耕地にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990 。

【5】夏羽メス。過眼線が黒くない。嘴基部に黄橙色のある個体。2005.3.30室見川橋本八幡横にて撮影。。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【6】夏羽メス。翼の裏は白い。2006.7.1今津田尻農耕地にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【7】冬羽。2001.9.10今津田尻農耕地にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【8】幼鳥。上面の羽縁が鱗状に見える。2005.6.11室見川大井出橋にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【9】幼鳥。羽縁がすれて、鱗状には見えない。2002.9.4今津田尻農耕地にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【10】抱卵。2004.5.26室見川外還室見橋にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4500。

【11】卵。3個見える。2004.5.26室見川外還室見橋にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4500。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2011.8.22改