チドリ目カモメ科カモメ属
order CHARADRIIFORMES Family LARIDAE LARUS

ホイグリンカモメ(ホイグリン鴎) 
Larus heuglini Heuglin's Gull

L54〜65cmW126〜155cm
冬鳥
海岸・港・河口
【1】冬羽。2002.3.20室見川小田部小学校横にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。
脚が黄色で、背の色の濃い大型のカモメ。
■形態
雌雄同色。頭部から頸、体下面、尾は白く、背と翼は灰黒色で、ウミネコと同程度の濃さ。次列・三列風切先端は幅広く白い。初列風切のP10からP5の先は黒く、先端に小さい白斑がある。P10のみに白いミラーがある。足は鮮やかな黄色だが、ピンク色との中間のものもいる。嘴は黄色く、下嘴の先の赤斑は大きめ。
冬羽では頭部は白く、後頸に細い淡褐色の斑が入る。虹彩は淡色から、褐色の個体まである。
幼鳥は全体が濃褐色で肩羽、雨覆、三列風切に淡色の羽縁の切れ込みが少なく、鱗模様に見える。初列風切は黒褐色。翼を広げると内側初列風切も淡くなく、一様。
第1回冬羽は頭部から下面が白っぽくなり、肩羽が矢印型の褐色斑になる。嘴基部がピンク色。
第2回冬羽では殆ど成鳥に似るが、翼や尾羽に褐色の羽が残り、嘴に扱く斑がある。
※成鳥で脚が黄色いが、背と翼の色がセグロカモメと同様のくらいの個体はセグロカモメとの交雑個体や中間個体と考えられる。
■特徴3年で成鳥になる。
換羽時期がセグロカモメより遅いと言われる。
■亜種
L.h.heugliniL.h.taimyrensisの2亜種があるとされたが、L.h.taimyrensisはセグロカモメ(Larus vegae)との交雑個体群又は中間個体群と考えられるようになった。
■備考
日本鳥類目録6版ではニシセグロカモメ(Larus fuscus)が検討中の種・亜種としてあげられているが、その後の研究等で独立種として扱われる事が多くなったため、この項も独立種として掲載。
■分布
西シベリアのコラ半島からタイミル半島南西部で繁殖し、中国南東部沿岸で越冬する。日本には冬鳥として西日本を中心に全国に渡来するが、九州に多い。
■福岡での事例
福岡では冬鳥で、10〜4月頃見られる。
【室見川】小田部小学校横で観察。

【2】ウミネコと背の色の比較。同一個体。2002.3.20室見川小田部小学校横にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【3】幼羽。2004.12.14室見川マリナタウン人工海浜にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【4】幼羽〜第1回冬羽。2004.3.2室見川小田部小学校横にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【5】第2回冬羽?。2003.1.7室見川小田部小学校横にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【6】夏羽。2003.10.9室見川愛宕にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【7】夏羽。2003.10.3福岡県二丈町深江海岸にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2017.04.17改