チドリ目シギ科エリマキシギ属
order CHARADRIIFORMES Family SCOLOPACIDAE PHILOMACHUS Merrem

エリマキシギ(襟巻鴫)
Philomachus pugnax Ruff

L♂26〜32、♀20〜25m W48〜58cm
旅鳥
水田・湿地・干潟・埋立地の水たまり
【1】オス冬羽より夏羽へ換羽中。脇にも夏羽が出始めている。2008.3.31今津周船寺川水門にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990 。
夏羽の雄は襟巻のような美しい飾り羽がある中形のシギ類。
■形態
雄夏羽は、羽の色の変異が多く、顎の襟巻状の飾り羽を含め、白、赤褐色、黒、まだらなど様々な模様がある。嘴の色も様々で、少し下へ曲がっている。足も、黄色、赤、橙色等様々。目の周りに前後が切れた白いアイリングあり、キツネ眼に見える。
雌は雄より一回り小さく、頭部からの上面は淡褐色で、黒褐色の斑がある。胸から下は白く、黒褐色の斑がある。
冬羽では雌雄共に灰褐色で、雌夏羽に似るが、頸や胸は灰色で無斑。
幼羽は全体に黄褐色で、背、翼は黒い軸斑に黄褐色の羽縁があり鱗模様に見える。幼羽でも雄は雌より一回り大きい。
■採餌
浅い水中を歩きながら、嘴を泥に差し込み、水棲昆虫や貝類等の小動物を食べる。
■繁殖
草原の小高いところにある、レックと呼ばれる踊り場に雄が集まり、やってきた雌相手にエリマキを広げたりするデイスプレーを行う。雌は雄を選んで交尾した後、レックを去り、雌だけで地上に営巣する。通常4個産卵し、抱卵日数は20〜23日くらい。
■鳴き声
日本では殆ど鳴き声は聞かれないが、繁殖地では「クヮッ、クヮッ」等と大きな声で鳴く。
■亜種
亜種はない。
■分布
ユーラシア大陸北部で繁殖し、アフリカ、中東、インド、オーストラリア南部で越冬する。日本には旅鳥として春秋に渡来するが、夏羽を観察できる事は少ない。
■福岡での事例
福岡では旅鳥で、4〜5、8月〜10月頃に見られる。
【今津】干潟や周辺農耕地で観察。

【2】オス冬羽から夏羽へ換羽中。雨覆や三列風切などに夏羽が出ている。2004.2.22今津周船寺川水門にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990 。

【3】メス冬羽から夏羽へ換羽中。雨覆や三列風切などに夏羽が出ている。2006.3.29今津田尻にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【4】オス夏羽。2006.4.19佐賀県有明干拓にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【5】オス夏羽。2006.4.19佐賀県有明干拓にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【6】メス冬羽。2008.9.21佐賀県大授干拓にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【7】メス冬羽。2008.9.21佐賀県大授干拓にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【8】 オス幼羽。全体に褐色味が強い、磨耗、褪色の少ない(フレッシュな)個体。2001.8.28今津周船寺川水門にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990 。

【9】オス幼羽。磨耗、褪色が進んでいる。2008.9.13今津田尻にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【10】メス幼羽。磨耗、褪色が進んでいる。2001.8.31今津太郎丸にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【11】雌雄の差が大きい。左からフレッシュなオス幼羽、褪色が進んでいるメス幼羽、褪色が進んでいるオス幼羽。2001.8.31今津太郎丸にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990 。NICON COOLPIX7900。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2011.8.28改