チドリ目シギ科ダイシャクシギ属
order CHARADRIIFORMES Family SCOLOPACIDAE NUMENIUS

チュウシャクシギ(中杓鴫)
Numenius phaeopus Whimbrel

L40〜46cm W76〜89cm
旅鳥
干潟・川岸・農耕地
【1】夏羽。2005.4.29今津水門にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。
下に湾曲した長い嘴を持つ大型のシギ類。
■形態
雌雄同色。全体はホウロクシギを小さくしたような感じで、頭央線と眉斑が白っぽく、頭側線と過眼線は黒褐色。顔から胸は淡い褐色で、黒褐色の縦斑がある。脇から下尾筒にかけても黒褐色の斑がある。翼は黒褐色で淡色の羽縁があり、背から腰は白っぽい。翼下面には黒褐色の斑が全体にある。
嘴は黒く、下嘴基部が肉色で、長さは頭長の約2倍。足は灰青色。
夏冬であまり変化はないが、冬羽では淡色の羽縁が小さくなり、のっぺりした感じなる。
幼鳥は嘴が短く、三列風切りの羽縁が三角形に見える。
■採餌
長い嘴を泥の中に突立て、大型のカニを捕え、足は落としてから飲み込む。農耕地では昆虫なども捕らえる。
■繁殖
苔や地衣類が覆うツンドラの地上に営巣し、通常4個産卵する。雌雄ともに抱卵し、抱卵日数は27〜28日位。雛は5〜6週間で独り立ちし、親鳥に数週間遅れて越冬地へ向かう。
■鳴き声
飛び立つ時などに「ホィーピピピピピ」等と鳴く。
■亜種
日本に渡来する亜種は亜種チュウシャクシギ(N.p.variegatus)。
■分布
ユーラシア北部、北米北部で繁殖し、アフリカ、中東、インド、東南アジア、ニューギニア、オーストラリア、ニュージーランド、北米南部、南米で越冬する。日本には旅鳥として春秋に渡来するほか、南西諸島では冬鳥として越冬する個体もいる。
■福岡での事例
福岡では旅鳥で、4〜5、8月〜9月頃に見られる。
【室見川】室見橋下流及び矢倉橋周辺で観察。
【今津】河口干潟及び周辺農耕地で観察。

【2】夏羽。2005.4.29今津水門にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【3】すれた夏羽。2005.7.29室見川愛宕にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【4】翼裏は白くない。2005.7.30室見川愛宕にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【5】腰は白い。2005.7.29室見川愛宕にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【6】採餌。2004.5.2前原市泉川河口にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【7】三列風切に三角形の羽縁があり、幼羽と思われる。2002.9.22今津水門にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【8】嘴が短いため若鳥と思われる。2004.5.2前原市泉川河口にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2011.9.6改