ツル目
GRUIFORMES
ツル科
Gruidae
ツル属
Grus (Brisson, 1760)

クロヅル(黒鶴)
Grus grus (Linnaeus, 1758)  Common Crane
L110〜125cmW180〜200cm
数少ない冬鳥
水田・畑・湿地
【1】2001.11.25鹿児島県出水市東干拓にて撮影。
喉から頸の前が黒い小型のツル類。
■形態
雌雄同色。額と後頭が黒く、頭頂は赤い。目の後方から後頸は白く、喉から前頸は黒い。体は灰黒色。風切は黒く、飛翔時灰黒色とのコントラストが明瞭。光彩は黄色から橙色。嘴は淡黄色で長い。足は黒褐色で長い。
幼鳥は全体が淡褐色味のある灰色で、頭部が褐色。風切りは黒い。
ナベヅルとの交雑種ナベクロヅルは、頭部はナベヅルと同じだが、喉から前頸は淡灰色。体はクロヅルのように灰黒色で、風切に向かってナベヅルのように黒くなる。
■鳴き声
「クラッカクララー クラッカクララー」と鳴く。
■採餌
地上を歩きながら、穀類、草の実、昆虫等を食べる。
■繁殖
湿原や湖畔の地上に、草や茎などを積んで大きな巣を作る。通常2個産卵する。
ナベヅルとの間に交雑種が見られ、通常ナベクロと呼ばれている。
■亜種
日本に渡来するのは亜種クロヅル(G.glilfordi)。
■分布
北ヨーロッパからロシア中部、シベリアコリマ川にかけて繁殖し、南ヨーロッパ、北アフリカ、中東、インド北部、中国で越冬。
日本には数少ない冬鳥として全国に渡来する。鹿児島県出水では毎年少数が越冬する。
■福岡での事例
福岡でも記録はある。

【2】2008.1.15。鹿児島県出水市東干拓にて撮影。

【3】2015.11.08鹿児島県出水市東干拓にて撮影。

【4】2009.03.03。鹿児島県出水市東干拓にて撮影。

【5】顔の模様はナベヅルで、胴体の色はクロヅルの特徴を持っている、ナベヅルとの交雑種ナベクロヅルだと思われる。2001.11.25鹿児島県出水市東干拓にて撮影。

【6】喉から前頸の黒色部が薄く、ナベヅルとの交雑種ナベクロヅルだと思われる。2008.1.15。鹿児島県出水市東干拓にて撮影。

【7】右が5のナベクロヅル、左はナベヅル。ナベクロヅルの方が喉から前頸までうっすらと灰色でクロヅルの特徴があり、胴体も灰色でクロヅルの特徴を見せている。2001.11.25鹿児島県出水市東干拓にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2019/11/22作成