ツル目
GRUIFORMES
ツル科
Gruidae
Antigone属
Antigone (Reichenbach, 1853)

カナダヅル(加奈陀鶴)
Antigone canadensis (Linnaeus, 1758)  Sandhill Crane
L91〜100cm・W175〜195cm
数少ない冬鳥
水田・畑・湿地
【1】2001.11.25鹿児島県出水市、東干拓にて撮影。
額がハート型に赤い、全身が灰色のツル類。
■形態
雌雄同色。額から前頭まで皮膚が裸出して赤く、前から見ると赤いハート形に見える。その他は灰色で、褐色の羽が混じることもある。風切りは黒く、飛翔時灰色とのコントラストが明瞭。光彩は黄色。嘴は黒く、脚も黒い。
幼鳥は皮膚の裸出部がなく、光彩も褐色。
■鳴き声
「コロロー」「クルルー」と鳴くほか、「グワッ グワッ グワッ グワッ」と濁った大きな声で鳴く。
■採餌
地上を歩きながら頸を伸ばして、植物の根や葉、実を採餌するほか、昆虫、ヘビ、カエル等も捕食する。
■繁殖
ツンドラ等の沼沢地に広く縄張りをもち湿地に枯草を積み上げて営巣する。通常2個産卵する。雌雄で抱卵し、抱卵日数は約29〜31日。
■亜種
5亜種あり、シベリア北東部からアラスカ、カナダからバフィン島に分布する亜種カナダヅル(A.c.canadensis)、カナダ南部、米国西部及び中部に分布する亜種A.c.tabida、ジョージア州とフロリダ州(米国)に分布する亜種A.c.pratensis、ミシシッピ州(米国)に分布する亜種A.c.pulla、キューバ、パインズ島に分布する亜種A.c.nesiotes
■分布
シベリア北東部、北アメリカ北部で繁殖し、北アメリカ中部、南部で越冬。渡りをしない亜種がアメリカ南部とキューバに分布。
日本には亜種カナダヅル(A.c.canadensis)が稀な冬鳥として九州以北で記録がある。
■福岡での事例
福岡での記録はない。

【2】額の赤い裸出部は正面からはハート型に見える。2015.11.12。鹿児島県出水市、東干拓にて撮影。

【3】2016.11.09。鹿児島県出水市。東干拓にて撮影。

【4】幼鳥。2014.11.07。鹿児島県出水市、東干拓にて撮影。

【5】4の幼鳥を含んだ4羽の家族。2014.11.07。鹿児島県出水市、東干拓にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2019/12/05作成