ツル目
GRUIFORMES
クイナ科
Rallidae
ヒメクイナ属
Porzana (Vieillot, 1816)

ヒクイナ(緋水鶏)
Porzana fusca (Linnaeus, 1766)  Ruddy-breasted Crake
L21〜23cm W37cm
留鳥または夏鳥
水田・河川・湖沼
【1】亜種ヒクイナ。2005.07.24福岡県福岡市今津にて撮影。
暗褐色の中に脚と腹側の赤さが目立つハト大のクイナ類。
■形態
雌雄同色。頭頂からの上面は一様に暗褐色。顔から腹部が赤褐色で、喉は少し白い。脇から下尾筒は白黒の横縞模様がある。嘴は黒く、虹彩は赤い。脚も赤い。
冬羽は全体にやや暗色になる。
幼鳥は全体に淡色で、喉から下は白っぽい。
雛は全体が黒い。
亜種リュウキュウヒクイナは亜種ヒクイナより暗色と言われるが、野外識別は困難。
■鳴き声
繁殖中は昼夜とも鳴くが、夜の方が盛ん。金属的な声で「キョッ、キョッ、キョッ」と1声ずつ区切って鳴き、「キョキョロロロロ」と尻下がりに鳴きやむ。
■採餌
朝夕に草むらなどで昆虫などの動物質の餌を食べるが、植物の実なども食べる。
■繁殖
水辺のイネ科植物等の株の中に、葦や枯れ草で皿状の巣を作り、通常5〜9個産卵する。
■特徴
日中は殆ど姿を見せないが、雨の日などは日中でも姿を見せる事が多い。 非繁殖期は単独で生活する。
■名前の由来
英名も和名も胸が赤い事に因る。
■亜種
4亜種あり、パキスタンとインド北部からマレーシア、インドネシアとフィリピンに分布する亜種P.f.fusca、 インド西部と南西部、スリランカに分布する亜種P.f.zeylonica、 琉球列島に分布する亜種リュウキュウヒクイナ(P.f.phaeopyga)、 シベリア南東部から中国北東部、朝鮮半島と日本、台湾に分布する亜種ヒクイナ(P.f.erythrothorax)、
■分布
インド、東南アジア、中国、朝鮮半島に分布。
日本では亜種ヒクイナが九州以北の西日本に留鳥、東日本に夏鳥として分布し、亜種リュウキュウヒクイナが南西諸島には留鳥として分布。
■福岡での事例
福岡では留鳥。
【室見川】外環室見橋上流から上流にかけての葦原周辺水田などで観察。
【今津】田尻の池周辺、農耕地などで観察。
【和白】塩浜のクリークにて観察。

【2】亜種ヒクイナ。1と同一個体。2005.07.24福岡県福岡市今津にて撮影。

【3】亜種ヒクイナ。2010.02.13鹿児島県出水市にて撮影

【4】幼鳥。亜種ヒクイナ。2011.09.19福岡県福岡市今津にて撮影。

【5】幼鳥。亜種ヒクイナ。2011.09.19福岡県福岡市今津にて撮影。

【6】家族連れ。亜種ヒクイナ。2018.07.24福岡県福岡市今津にて撮影。

【7】亜種リュウキュウヒクイナ。2008.02.01沖縄県豊見城村にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2019/11/29作成