- 暗褐色の中に脚と腹側の赤さが目立つハト大のクイナ類。
- ■形態
- 雌雄同色。頭頂からの上面は一様に暗褐色。顔から腹部が赤褐色で、喉は少し白い。脇から下尾筒は白黒の横縞模様がある。嘴は黒く、虹彩は赤い。脚も赤い。
冬羽は全体にやや暗色になる。
幼鳥は全体に淡色で、喉から下は白っぽい。
雛は全体が黒い。
亜種リュウキュウヒクイナは亜種ヒクイナより暗色と言われるが、野外識別は困難。
- ■鳴き声
- 繁殖中は昼夜とも鳴くが、夜の方が盛ん。金属的な声で「キョッ、キョッ、キョッ」と1声ずつ区切って鳴き、「キョキョロロロロ」と尻下がりに鳴きやむ。
- ■採餌
- 朝夕に草むらなどで昆虫などの動物質の餌を食べるが、植物の実なども食べる。
- ■繁殖
- 水辺のイネ科植物等の株の中に、葦や枯れ草で皿状の巣を作り、通常5〜9個産卵する。
- ■特徴
- 日中は殆ど姿を見せないが、雨の日などは日中でも姿を見せる事が多い。
非繁殖期は単独で生活する。
- ■名前の由来
- 英名も和名も胸が赤い事に因る。
- ■亜種
- 4亜種あり、パキスタンとインド北部からマレーシア、インドネシアとフィリピンに分布する亜種P.f.fusca、
インド西部と南西部、スリランカに分布する亜種P.f.zeylonica、
琉球列島に分布する亜種リュウキュウヒクイナ(P.f.phaeopyga)、
シベリア南東部から中国北東部、朝鮮半島と日本、台湾に分布する亜種ヒクイナ(P.f.erythrothorax)、
- ■分布
- インド、東南アジア、中国、朝鮮半島に分布。
日本では亜種ヒクイナが九州以北の西日本に留鳥、東日本に夏鳥として分布し、亜種リュウキュウヒクイナが南西諸島には留鳥として分布。
- ■福岡での事例
- 福岡では留鳥。
【室見川】外環室見橋上流から上流にかけての葦原周辺水田などで観察。
【今津】田尻の池周辺、農耕地などで観察。
【和白】塩浜のクリークにて観察。
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