スズメ目
PASSERIFORMES
ホオジロ科
Emberizidae
ホオジロ属
Emberiza (Linnaeus, 1758)

ミヤマホオジロ(深山頬白)
Emberiza elegans Temminck, 1836  Yellow-throated Bunting
L15.5cm W21cm
冬鳥
林・草地
【1】雄夏羽。嘴が黒い。2025.03.10福岡県福岡市、小戸公園にて撮影。
黒い羽冠に黄色い眉と喉が目立つホオジロ類。
■形態
雌雄ほぼ同色。
雄夏羽では目先から耳羽と、額から短い冠羽がある頭頂までは黒く、眉斑の中央は黄色で、前後は白。喉も黄色い。側頸は灰色で、肩からの上面は褐色に黒褐色の斑があり、翼は黒褐色で羽縁は茶褐色。腰は灰色。尾羽は黒褐色で、中央尾羽は茶褐色。胸に三角形の黒斑がある。下胸より下面は白く、脇は褐色で黒褐色の縦斑がある。嘴は黒く、脚は肉色。
冬羽になると、嘴が鉛色になり、下嘴が肉色味を帯びる。
雌は黄色部分が淡く、黒色部は褐色。
■鳴き声
「チィチュリチュリチィチチチュルリリ」等と細めの声で早口で囀る。地鳴きは「チッ、チッ」
■採餌
地面を跳ね歩き、落ちている草の実や松の種子などを食べる。
■名前の由来
江戸時代前期に「みやまほほしろ」「みやまとり」の名で記録がある。 深い山のホオジロ類の意と思われるが、平地にも渡来するので、よくわらかない。
■亜種
2亜種ある。
極東ロシア、中国北東部、朝鮮半島及び対馬で繁殖する亜種ミヤマホオジロ(E.e.elegans)、 中国中央部で繁殖する亜種E.e.elegantula
■分布
ウスリー、中国北東部、朝鮮半島及び中国中部で繁殖、中国南東部、台湾で越冬する。
日本へは亜種ミヤマホオジロが冬鳥として全国に渡来するが、西日本に多い。
1967年5月に対馬で繁殖が確認されて以降、1993年、1996年広島県臥竜山、2015年8月島根県隠岐海士町、2019年6月島根県三瓶山などで繁殖の記録がある。
■福岡での事例
福岡では冬鳥として平地から山地の公園などで見られる。
【室見川】2000年11月14日野生の広場で観察以降。毎年中上流域で確認。
【小戸公園】2003年01月14日に観察以降、ほぼ毎年観察。
【西部霊園公園】2004年06月17日に雄が囀っているのを観察。繁殖したのかもしれない。
【今宿野外活動センター】2001年04月14日などに観察。
【小呂島】2011年11月01日などに観察。
【大濠公園】2020年04月11日記録がある。
【南公園】2005年04月13日に観察。
【糸島市】2001年12月30日蛇石で観察以降、内陸部で観察。
【筑紫野】2006年02月12日などに天拝湖で観察。
【福津市】2009年06月13日津屋崎で記録がある。
【宗像市】2012年12月09日城西ヶ丘で記録がある。

【2】雄夏羽。嘴が黒い。2025.03.10福岡県福岡市、小戸公園にて撮影。

【3】雄夏羽。嘴が黒い。2005.04.13福岡県福岡市、南公園にて撮影。

【4】雄夏羽。2004.06.17福岡県福岡市、西部霊園公園にて撮影。

【5】雄冬羽。嘴は鉛色で、下嘴は肉色。2024.12.11熊本県山都町にて撮影。

【6】雄冬羽。胸には三角形の黒斑がある。2004.12.06福岡県福岡市。室見川石釜にて撮影。

【7】雄冬羽。腰は灰色。2003.01.10福岡県福岡市、室見川唐の原にて撮影。

【8】雄冬羽。尾羽及び初列風切等に白化が見られる個体。2000.11.14福岡県福岡市、室見川野性の広場にて撮影。

【9】雌夏羽。嘴が黒い。2025.03.10福岡県福岡市、小戸公園にて撮影。

【10】雌。2016.02.16佐賀県武雄市、東川登町にて撮影。

【11】雌。2016.02.16佐賀県武雄市、東川登町にて撮影。

【12】雌。2003.01.02熊本県熊本市、立田山にて撮影。

【13】雌。腰は灰色。2005.02.08佐賀県小城町、小城公園にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2025/06/17作成