- 冬の葦原等で「ヂッ《と鳴く、胸から腹に黄色みが目立つホオジロ類。
- ■形態
- 雄は頭部が暗緑灰色で、目先が黒く、目の後方に細い黄色い線がある。嘴は肉色で上嘴と先端が黒っぽい。上面は緑色を帯びた褐色で背に黒褐色の縦班がある。下面は淡黄色で、黒い縦班がある。
雌の頭部は黄緑褐色で、淡黄色の眉斑と外頬線がある。
冬羽では共に全体が淡色になる。
- ■鳴き声
- 「チョッピーチョッ ピィーチリリ《等とゆっくりとしたテンポの澄んだ声で囀る。地鳴きは「ヂッ《と少し濁って強い。
- ■繁殖
- つがいで縄張りを持つ。地上又は低木の枝の上に、イネ科の椊物の茎や葉で椀型の巣を作る。通常4~5個産卵し、抱卵に数は13~14日。巣立ちまでは12~13日。
- ■吊前の由来
- 奈良時代よりホオジロ類は「しとと《として知られ、室町時代に緑色の「しとと《ということで「あをじとと《と区別され、江戸時代に「あおじ《と略される。
「しとと《は巫女が占いに使ったことから「みことり《「かたかうなぎ(かうなぎ=巫女)《などの異吊があり、「しとと《を表す「鵐《の漢字は、「巫《と「鳥《を合わせて日本でつくられた国字。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分類問題
- 日本鳥類目録第7版までは本種をシベリアアオジと同種としており、種アオジ(Emberiza spodocephala ※基亜種はシベリアアオジ)亜種アオジ(Emberiza spodocephala personata)としていた。
このため種アオジの学吊は(Emberiza spodocephala)から(Emberiza personata)とかわった。
- ■分布
- 樺太南部、千島列島および日本で繁殖し、日本南部で越冬する。
- ■福岡での事例
- 福岡には冬鳥として平地から山地の草地などに渡来し、10~4月に普通に見られる。
【室見川】2000年11月福重橋で観察以来毎年流域草地などで観察。
【今津】2000年11月田尻で観察以来毎年周辺農耕地等で観察。
【和白】2000年12月塩浜で観察。
【南公園】2002年4月に観察。
【志賀島】2001年1月に志賀島東波止で観察
【小呂島】2010年5月に観察。
|