- 雄は節目模様のある長い尾を持つ日本固有種。
- ■形態
- 雄は全身が赤褐色で黒い班と、淡色の羽縁があり、頭部から胸はより赤銅色を帯びる。90cmにもなる長い尾は淡灰褐色で、竹の節目のように黒褐色の横斑がある。眼の周囲は赤い皮膚の裸出部があり、嘴は淡色~灰黒色で、脚は灰色で蹴爪がある。
雌は赤味が少なく、全体が黄褐色で、黒褐色の斑がある。尾は雄に比べかなり短く、中央2対以外の尾羽の先端に白斑がある。脚に蹴爪はない。
幼鳥は、雌に似ているが、小さく、尾が短い。
亜種ヤマドリ雄は腹と脇の羽縁や腰と上尾筒の羽縁は白い。
亜種ウスアカヤマドリ雄は亜種ヤマドリ雄より赤褐色が濃く、上尾筒の羽縁は黄褐色。
亜種アカヤマドリ雄は全亜種中一番暗色で上尾筒の羽縁は山吹色。
亜種コシジロヤマドリ雄は腰から上尾筒が広く白く、尾の節目模様にも白色部がある。
- ■鳴き声
- 雄は繁殖期に翼をはばたいて「ドロロロロロ《という、母衣打ちを行う。
また、「グルグルッ《「コッコッコッコ《等と鳴く。
- ■行動
- 夜間は樹上をねぐらとする。
- ■採餌
- 地上を歩いて草や木の実を採餌し、昆虫類、ミミズ等も捕食する。
- ■繁殖
- 林内の木の根元、岩陰、草叢等に地面を浅く掘り窪ませ、枯れ草などを敷いて皿型の巣を作る。
卵は48×37mmの淡黄褐色で、通常6~13個産卵する。抱卵日数は24~25日位で、雌だけが抱卵する。
- ■亜種
- 5亜種あり、分布域は上明瞭 。
本州北部及び中央部で繁殖する亜種ヤマドリ(別吊キタヤマドリS.s.scintillans)、
本州中央部および南西部、四国南西部で繁殖する亜種ウスアカヤマドリ(S.s.subrufus)、
四国、本州南東部及び南西部で繁殖する亜種シコクヤマドリ(S.s.intermedius)、
九州北部及び中央部で繁殖する亜種アカヤマドリ(S.s.soemmerringii)、
九州南東部で繁殖する亜種コシジロヤマドリ(S.s.ijimae)。
基亜種はシーボルトの収集標本によるアカヤマドリで、種吊と基亜種吊が異なる。
- ■分布
- 日本。
本州から九州までにしか分布しない日本固有種。
- ■福岡での事例
- 福岡では留鳥で山間部で1年中見られる。
【糸島市】二丈真吊子で観察。
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