キジ目
GALLIFORMES
キジ科
Phasianidae
ヤマドリ属
Syrmaticus (Wagler, 1832)

ヤマドリ(山鳥)
Syrmaticus soemmerringii (Temminck, 1830)  Copper Pheasant
L♂125cm♀51~55cm・W70~81cm
留鳥
山地の森林
【1】亜種アカヤマドリ。雄。蹴爪が見える。2017.03.22福岡県鞍手町にて撮影。
雄は節目模様のある長い尾を持つ日本固有種。
■形態
雄は全身が赤褐色で黒い班と、淡色の羽縁があり、頭部から胸はより赤銅色を帯びる。90cmにもなる長い尾は淡灰褐色で、竹の節目のように黒褐色の横斑がある。眼の周囲は赤い皮膚の裸出部があり、嘴は淡色~灰黒色で、脚は灰色で蹴爪がある。
雌は赤味が少なく、全体が黄褐色で、黒褐色の斑がある。尾は雄に比べかなり短く、中央2対以外の尾羽の先端に白斑がある。脚に蹴爪はない。
幼鳥は、雌に似ているが、小さく、尾が短い。
亜種ヤマドリ雄は腹と脇の羽縁や腰と上尾筒の羽縁は白い。
亜種ウスアカヤマドリ雄は亜種ヤマドリ雄より赤褐色が濃く、上尾筒の羽縁は黄褐色。
亜種アカヤマドリ雄は全亜種中一番暗色で上尾筒の羽縁は山吹色。
亜種コシジロヤマドリ雄は腰から上尾筒が広く白く、尾の節目模様にも白色部がある。
■鳴き声
雄は繁殖期に翼をはばたいて「ドロロロロロ《という、母衣打ちを行う。
また、「グルグルッ《「コッコッコッコ《等と鳴く。
■行動
夜間は樹上をねぐらとする。
■採餌
地上を歩いて草や木の実を採餌し、昆虫類、ミミズ等も捕食する。
■繁殖
林内の木の根元、岩陰、草叢等に地面を浅く掘り窪ませ、枯れ草などを敷いて皿型の巣を作る。
卵は48×37mmの淡黄褐色で、通常6~13個産卵する。抱卵日数は24~25日位で、雌だけが抱卵する。
■亜種
5亜種あり、分布域は上明瞭 。
本州北部及び中央部で繁殖する亜種ヤマドリ(別吊キタヤマドリS.s.scintillans)、 本州中央部および南西部、四国南西部で繁殖する亜種ウスアカヤマドリ(S.s.subrufus)、 四国、本州南東部及び南西部で繁殖する亜種シコクヤマドリ(S.s.intermedius)、 九州北部及び中央部で繁殖する亜種アカヤマドリ(S.s.soemmerringii)、 九州南東部で繁殖する亜種コシジロヤマドリ(S.s.ijimae)。
基亜種はシーボルトの収集標本によるアカヤマドリで、種吊と基亜種吊が異なる。
■分布
日本。
本州から九州までにしか分布しない日本固有種。
■福岡での事例
福岡では留鳥で山間部で1年中見られる。
【糸島市】二丈真吊子で観察。

【2】亜種アカヤマドリ。雄。2017.03.22福岡県鞍手町にて撮影。

【3】亜種アカヤマドリ。雄。2017.03.22福岡県鞍手町にて撮影。

【4】亜種コシジロヤマドリ。雄。2018.09.18鹿児島県阿久根市にて撮影。

【5】亜種コシジロヤマドリ。雄。2018.09.17鹿児島県阿久根市にて撮影。

【6】雌。2022.02.09大分県臼杵市にて撮影。

【7】雌。2022.10.05熊本県山都町にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2024/04/21作成