- 対馬と北海道に分布する、白い首輪が目立つキジ類。
- ■形態
- 雄は顔の皮膚がハート形に裸出して赤い。頸は紫色で、その下に白い頸輪がある。後頭の左右に短い冠羽がある。背は黄褐色で黒斑があり、腰は青灰色。肩羽は赤褐色で軸斑が白く、小雨覆は灰色。尾は長く淡い黄褐色で、黒い横縞がある。胸から腹は橙褐色。脇側と脇腹は黄褐色で黒斑がある。繁殖期には雄の皮膚の赤い裸出部は大きくなる。
雌はやや小さく、全体が褐色で黒褐色の斑が密にあり、尾はオスにくらべると短い。キジの雌に酷似する。
- ■鳴き声
- 雄は「ケーッ」「ケェーッ」とよく通る声で鳴く。キジに比べて濁った声。
- ■採餌
- 地上を歩きながら草の実などを採餌し、昆虫も捕食する。
- ■繁殖
- キジと同じように、雄に縄張りに複数の雌が巣を作る。
- ■備考
- 日本鳥類目録第7版ではキジもタイリクキジの亜種とされていた。
- ■亜種
- 30亜種ある。
コーカサス北部(ロシア南部)に分布する亜種P.c.septentrionalis、
南コーカサス(ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャン)に分布する亜種P.c.colchicus、南コーカサス南中央部(アゼルバイジャン、イラン北中央部)に分布する亜種P.c.talischensis、トルクメニスタン南西部、イラン北東部に分布する亜種P.c.persicus、トルクメニスタン南東部、アフガニスタン北西部に分布する亜種P.c.principalis、トルクメニスタン北部、ウズベキスタン西部に分布する亜種P.c.chrysomelas、トルクメニスタン東部に分布する亜種P.c.zarudnyi、ウズベキスタン南東部、タジキスタン南西部、アフガニスタン北東部ウズベキスタン南東部に分布する亜種P.c.bianchii、ウズベキスタン南部に分布する亜種P.c.zerafschanicus、カザフスタン南部に分布する亜種P.c.turcestanicus、カザフスタン南東部、キルギスタン北部に分布する亜種P.c.mongolicus、中国西部に分布する亜種P.c.shawii、タリム盆地からロプノル(中国西部)に分布する亜種P.c.tarimensis、チャイダム盆地(中国西中央部)に分布する亜種P.c.vlangalii、青海省北東部(中国中央部)に分布する亜種P.c.strauchi、甘粛省東部(中国中央部)分布する亜種P.c.sohokhotensis、甘粛省西部(中国北中央部)に分布する亜種P.c.satscheuensis、モンゴル西部に分布する亜種P.c.hagenbecki、
モンゴル南中央部に分布する亜種P.c.edzinensis、寧夏(中国北中央部)に分布する亜種P.c.alaschanicus、中国北東部に分布する亜種P.c.kiangsuensis、中国北東部から朝鮮半島に分布する亜種コウライキジ(P.c.karpowi)、シベリア南東部、中国北東部、朝鮮半島北東部に分布する亜種P.c.pallasi、四川省北西部、甘粛省(中国西中央部)に分布する亜種P.c.suehschanensis、四川省西部から雲南省(中国西中央部)、ミャンマー北東部、チベット東部に分布する亜種P.c.elegans、中国中央部に分布する亜種P.c.decollatus、雲南省南東部(中国南中央部)、ベトナム北西部 に分布する亜種P.c.rothschildi、広東省南西部(中国南部)、ベトナム北東部に分布する亜種P.c.takatsukasae、中国東部に分布する亜種P.c.torquatus、台湾に分布する亜種P.c.formosanus。
- ■分布
- ユーラシア大陸の温帯で広く分布する。
日本に分布するのは亜種コウライキジ(P.c.karpowi)で、江戸時代に対馬で放鳥の記録があり、1930年頃に北海道に放鳥された。その後多くの地方で放鳥された個体が見られる。
- ■福岡での事例
- 福岡では詳細不明。
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