- 日本の国鳥として、広く知られてる長い尾の綺麗な鳥。
- ■形態
- 雄は顔の皮膚がハート形に裸出して赤い。頸は紫色で、後頭の左右に短い冠羽がある。胸から下と背は光沢のある緑色。肩羽は茶色、黒色、淡黄色の鱗模様。雨覆と腰は青灰色で、大雨覆は淡褐色の羽が多い。上尾筒は緑黄色。尾は長く淡い灰褐色で、黒い横縞があり、両側が紫灰色。
繁殖期にはオスの皮膚の赤い裸出部は大きくなる。
雌はやや小さく、全体が褐色で黒褐色の斑が密にある。尾も雄にくらべると短いが、ヤマドリの雌にくらべると長く、先端に白斑はない。
- ■鳴き声
- 雄は「ケーッ《「ケェーッ《とよく通る声で鳴く。また翼を激しく羽ばたかせて、大きな音を出す(ホロ打ち)。
雌は「チョッチョッ《と低い声で鳴く。
- ■行動
- 夜間は樹上で寝る。
- ■採餌
- 主に地上を歩いて昆虫やクモ、草の葉、草の実などを食べる。
- ■繁殖
- 繁殖期は雄の縄張りの中に複数の雌が巣を作る。地面を浅く掘り窪ませ、枯れ草などをしいた巣で、通常6~12個産卵する。産卵期は4~7月。抱卵日数は23~25日位で、メスだけが行う。
非繁殖期には雄だけ、雌だけの群れで生活していることが多い。
- ■亜種
- 4亜種ある。
本州北西部および佐渡で繁殖する亜種キジ(P.v.robustipes)、
本州中央、西部および四国で繁殖する亜種トウカイキジ(P.v.tohkaidi)、
本州南部、伊豆諸島、九州および屋久島および種子島で繁殖する亜種シマキジ(P.v.tanensis)、
本州西部および九州で繁殖する亜種キュウシュウキジ(P.v.versicolor)。
- ■分類問題
- 放鳥などにより亜種間の交配が進み、区別出来なくなっている。
日本鳥類目禄第7版まではタイリクキジ(Phasianus colchicus)と同種していた。
- ■分布
- 本州から九州、屋久島、種子島までにしか分布しない日本固有種。
- ■福岡での事例
- 福岡では留鳥で1年中見られる。
【室見川】中流消防学校近くの畑、唐の原で観察。
【今津】桑原周辺の農耕地で観察。
|