- 緑色のナポレオン帽のような頭がユニークな中型の淡水カモ。
- ■形態
- 雄は頭部は金属光沢の緑色で、額から後頭までは赤紫。後頸に短く冠羽が出る。背からの上面は全体に灰白色で、淡クリーム色の羽縁のある三列風切羽が長く、鎌状に垂れている。上尾筒から尾羽は黒い。翼鏡は濃い緑色。
嘴は黒く、嘴基部上部に白斑がある。喉は白く、頸に黒い輪が目立つ。
胸からの下面は白く、黒い波模様があり、脇から下は模様が細かくなる。下尾筒は黒く、両側に淡黄色の三角斑がある。脚も黒い。
雌は全身褐色で、黒褐色の斑が入る。翼鏡の前の大雨覆に灰白色部がある。
エクリプスは雌に似るが、雨覆と三列風切が灰色。
- ■鳴き声
- 雄は「ピリーピリー《「ピュルルピュルル《と鳴き、雌は低く「グヮッグヮッ《と鳴く。
- ■採餌
- 昼間は水面を啄んで、夜間は水田、湿地などで、イネ科の実や水草の葉、茎などを食べる。
- ■繁殖
- 産卵期間は6~7月。水辺の草むらや藪の地上に枯草等で皿状の巣を作り、自分の羽を敷く。通常6~9個産卵し、抱卵日数は24~25日。営巣、抱卵、育雛は全て雌が行う。雛はすぐに泳いだりする事が出来る。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分布
- シベリア東部、サハリン、南千島等の東アジアの狭い範囲で繁殖し、朝鮮半島、中国で越冬する。
日本では北海道で繁殖するが、大部分は冬鳥として全国に渡来する。
- ■福岡での事例
- 福岡でも冬鳥で10~4月に見られるが多くはない。
【室見川】室見橋から立花堰で観察できた。
【今津】河口で観察できた。
【和白】干潟で観察できた。
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