カモ目
ANSERIFORMES
カモ科
Anatidae
Sibirionetta属
Sibirionetta (Boetticher, 1929)

トモエガモ(巴鴨)
Sibirionetta formosa (Georgi, 1775)  Baikal Teal
L39~43m W65~75cm
冬鳥
湖沼・河川
【1】雄。2023.01.01福岡県糸島市、板持柳生町池にて撮影。
雄は顔に黄色と緑の巴模様のある小型の淡水ガモ。
■形態
雄は額から後頸にかけて黒褐色で、それに沿うような形で白線があり、後頭部で交差する。背からの上面は褐色で、黒い羽軸に白と橙色の羽縁がある肩羽が、長く蓑状に脇にかかっている。翼鏡は金属光沢のある緑色。
嘴は黒い。顔は黄白色で目の後方から横頸までが緑色。目から喉にかけて黒線がある。胸は葡萄色で、小さな黒斑がある。横胸から脇は青灰色で、側胸に白い縦線がある。腹から下は白い。脚も黒い。
雌は全身褐色で、額から目のすぐ上から後頸は黒褐色。嘴基部に白い丸斑ある。また咽から頬にかけて白色部がある。
■鳴き声
あまり鳴かない。雄は「グルッグルッ《とつぶやくように低い声で鳴く。雌は「グヮッグヮッ《と低く鳴く。
■行動
少数の時はコガモに混じって行動することが多い。
■採餌
夕方や夜間、早朝などに水辺や水田で採餌する。
■吊前の由来
奈良時代から「あぢ《の吊で知られ、江戸時代に雄の頭部の模様が巴に見えることから「ともえがも《とも呼ばれるようになる。明治期の鳥類目録では「アジガモ《「トモエガモ《が併記されていたが、大正11年の日本鳥類目録初版で「トモエガモ《に統一された。
■亜種
亜種はない。
■分布
シベリア東部で繁殖し中国南東部および日本で越冬する。
日本へは冬鳥として渡来するが、本州以南の日本海側に多い。
■福岡での事例
福岡でも冬鳥なので10~4月。
【室見川】2001年2月に曲淵ダムで観察。
【今津】2002年11月以降ほぼ毎年下降および周辺で観察。2003年12月、2012年1月に300羽を超える大群の記録がある。
【和白】2007年12月海上で観察。
【糸島市】2008年1月など岸田溜池で観察。
【粕屋町】2010年1月に古大間池で記録がある。
【太宰府市】2018年11年に国分新池で記録がある。
【宗像市】2021年1年に田久豆が浦池で記録がある。

【2】雄。2023.01.01福岡県糸島市、板持柳生町池にて撮影。

【3】雄。2004.01.11長崎県西海市、長崎バイオパークにて撮影。

【4】雄。2004.01.18福岡県福岡市、今津瑞梅寺川河口にて撮影。

【5】雄。後頭部は白いX字に見える。2011.12.19福岡県福岡市、今津柳生町溜池にて撮影。

【6】雄。2004.01.18福岡県福岡市、今津瑞梅寺川河口にて撮影。

【7】雄エクリプスから換羽中。顔は換羽が終わっているが、肩羽がまだ伸びていない。2003.11.28福岡県福岡市、今宿二つ池にて撮影。

【8】雌雄。2023.01.01福岡県糸島市、板持柳生町池にて撮影。

【9】雌雄。2004.1.19福岡県福岡市、今津瑞梅寺川河口にて撮影。

【10】雌。2011.10.11福岡県福岡市、人工島にて撮影。

【11】雄。2004.1.19福岡県福岡市、今津瑞梅寺川河口にて撮影。

【12】雄。2004.1.19福岡県福岡市、今津瑞梅寺川河口にて撮影。

【13】雌。2011.10.11福岡県福岡市、人工島にて撮影。

【14】幼羽。脇の羽がV字型に尖る。2023.10.02福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。

【15】幼羽。2023.10.02福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2024/11/16作成