カモ目
ANSERIFORMES
カモ科
Anatidae
ハジロ属
Aythya (Boie, F, 1822)

スズガモ(鈴鴨)
Aythya marila (Linnaeus, 1761)  Greater Scaup
L40~51m・W72~84cm
冬鳥
内湾・港内
【1】雄生殖羽。2015.12.09福岡県福岡市、室見川河口にて撮影。
背と腹が白っぽい海ガモ類。
■形態
雄の頭は金属光沢のある深い緑色。頸と腰から下は黒く。背と肩羽は白地に細かい黒い横斑があり、灰色に見える。翼は黒褐色で次列風切基部の白斑は初列風切までのびる。
嘴は青灰色で嘴爪は黒い。虹彩は黄色。胸に黒く、腹から下は白く、脇は細かい黒い横斑があり、灰色に見える。下尾筒は黒。脚も黒い。
雌は全身褐色で、黒い嘴の基部に幅広い白斑があり、とてもよく目立つ。
■類似種との識別点
キンクロハジロに似るが、キンクロハジロ雄には冠羽あり、背が白い。キンクロハジロ雌には嘴の基部に幅広い白斑がない。
■鳴き声
ほとんど鳴かない。雄は「ククー《と静かに鳴き、メスは「クルル《と鳴く。
■行動
日本では大きな群れとして越冬することが多い。
■採餌
浅い海底に潜り貝類を捕食する。貝は丸飲みにして、胃で貝殻をかみ砕く。
■吊前の由来
スズガモの吊称は鈴の音を思わせる金属的な羽音からきていると言う。
■亜種
2亜種ある。
ユーラシア大陸北部に分布する亜種スズガモ(A.m.marila)、 アジア北東部、北米北部に分布する亜種A.m.nearctica
■分布
ユーラシア大陸北部、北米北部で繁殖し、ヨーロッパ北部、黒海・カスピ海沿岸、中国東部、北米西岸、東岸なので越冬。
日本には亜種スズガモが冬鳥として全国に渡来し、海ガモ類では渡来数がもっとも多い。
■福岡での事例
福岡でも冬鳥なので10~4月くらい。
【室見川】河口で観察。
【和白】干潟の海上。
【大濠公園】園内の池。

【2】雄生殖羽。2020.01.25福岡県福岡市、室見川河口マリゾンにて撮影。

【3】嘴爪が黒い。雄生殖羽。2016.01.16福岡県福岡市、室見川河口にて撮影。

【4】白い翼帯は次列風切から初列風切まで及ぶ。雄生殖羽。2016.01.16福岡県福岡市、室見川河口にて撮影。

【5】雄エクリプスから換羽中。胸から脇がまだエクリプスの褐色。2017.01.14福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。

【6】雌。2013.11.12長崎県佐世保市、宇久島にて撮影。

【7】雌。2002.02.18福岡県福岡市、大濠公園にて撮影。

【8】雄、幼羽から1年目冬。嘴は青灰色で雄。肩羽に灰色の生殖羽が出始めている。2020.11.03福岡県福岡市、今津周船寺川水門にて撮影。

【9】雄、1年目冬。頭部は換羽中。胸は細かい班が並ぶ幼羽。2015.12.09福岡県福岡市、室見川河口にて撮影。

【10】雌、1年目冬。嘴は黒く、虹彩が褐色。2020.11.03福岡県福岡市、今津周船寺川水門にて撮影。

【11】雌、1年目冬。胸は細かい班が並ぶ幼羽。2020.01.25福岡県福岡市、室見川河口マリゾンにて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2024/04/29作成