カモ目
ANSERIFORMES
カモ科
Anatidae
Spatula属
Spatula (Boie, F, 1822)

シマアジ(縞味)
Spatula querquedula (Linnaeus, 1758)  Garganey
L37~41cm W56~69cm
旅鳥
河川・湖沼・内湾
【1】雄。2020.04.04福岡県糸島市新田にて撮影。
雄が白いはっきりした眉斑を持つ小型の淡水カモ。
■形態
雄は頭頂が黒褐色で、顔は赤紫色を帯びた褐色。後頸までのびる明瞭な太い眉斑がある。背からの上面は黒褐色の小さな鱗状の斑がある。翼は青灰色で、大雨覆は白く、次列風切は先端が白く、基部は緑色。肩羽は白黒に青灰色の縦縞模様で細長い飾り羽になっている。
嘴は黒く、胸は黒褐色の小さな鱗状の斑があり、脇は白く、細い黒色の波状斑がある。脚は赤味のある灰黒色。
雌は全体が褐色で、黒褐色の斑があり、雨覆は灰褐色。
汚白色の眉斑に黒い過眼線があり、その下にもう一本汚白色の線がある。嘴付け根に白い斑がある。
雄エクリプスは雌に似るが、雨覆は灰白色。眉斑も白色味が強く、目より前方が白い。
■鳴き声
雄は「ギリギリ《「ギェー《、雌は「ケッ《と鳴く。
■採餌
浅い水底に沈んだ餌や水面に浮かんだ餌などを啄んだり、枯れ草をしごいたりして採餌する。主にイネ科の椊物等の小さい実を食べる。
■吊前の由来
江戸時代中期から「しまあぢ《の吊で知られる。変わった「あぢ《(トモエガモ)の意。
■亜種
亜種はない。
■分布
ユーラシア大陸の温帯から亜寒帯で広く繁殖し、アフリカ中部、インド、東南アジア等で越冬する。
日本では北海道根室と愛知県で繁殖例があるが、主に春と秋に旅鳥として渡来する。南西諸島では越冬するものもいる。
■福岡での事例
福岡でも旅鳥で3~4月、9~10月頃見られる。また、旅鳥のため雄の生殖羽は春にしか見られない。
【室見川】室住団地横、矢倉橋周辺で観察。
【今津】瑞梅寺川河口、二つ池、三角池等で観察。

【2】雄。足は赤みのある灰黒色。2005.03.31福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。

【3】雄。2010.04.16福岡県福岡市、大濠公園にて撮影。

【4】雄、エクリプス。灰白色の雨覆が見える。2002.09.27福岡県福岡市、室見川室住団地横にて撮影。

【5】雄、エクリプス。2012.10.1福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。

【6】飛翔。雨覆いが灰色で翼鏡は緑色。5と同一個体。2012.10.01福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。

【7】雌。2003.03.22福岡県福岡市、室見川立花堰上流にて撮影。

【8】左が雄エクリプス、右が雌。2001.09.02福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【9】手前がシマアジ雄エクリプス、後ろ2羽はコガモ。2012.10.1福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
※禁無断転載
2024/04/28作成