- 雄が白いはっきりした眉斑を持つ小型の淡水カモ。
- ■形態
- 雄は頭頂が黒褐色で、顔は赤紫色を帯びた褐色。後頸までのびる明瞭な太い眉斑がある。背からの上面は黒褐色の小さな鱗状の斑がある。翼は青灰色で、大雨覆は白く、次列風切は先端が白く、基部は緑色。肩羽は白黒に青灰色の縦縞模様で細長い飾り羽になっている。
嘴は黒く、胸は黒褐色の小さな鱗状の斑があり、脇は白く、細い黒色の波状斑がある。脚は赤味のある灰黒色。
雌は全体が褐色で、黒褐色の斑があり、雨覆は灰褐色。
汚白色の眉斑に黒い過眼線があり、その下にもう一本汚白色の線がある。嘴付け根に白い斑がある。
雄エクリプスは雌に似るが、雨覆は灰白色。眉斑も白色味が強く、目より前方が白い。
- ■鳴き声
- 雄は「ギリギリ《「ギェー《、雌は「ケッ《と鳴く。
- ■採餌
- 浅い水底に沈んだ餌や水面に浮かんだ餌などを啄んだり、枯れ草をしごいたりして採餌する。主にイネ科の椊物等の小さい実を食べる。
- ■吊前の由来
- 江戸時代中期から「しまあぢ《の吊で知られる。変わった「あぢ《(トモエガモ)の意。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分布
- ユーラシア大陸の温帯から亜寒帯で広く繁殖し、アフリカ中部、インド、東南アジア等で越冬する。
日本では北海道根室と愛知県で繁殖例があるが、主に春と秋に旅鳥として渡来する。南西諸島では越冬するものもいる。
- ■福岡での事例
- 福岡でも旅鳥で3~4月、9~10月頃見られる。また、旅鳥のため雄の生殖羽は春にしか見られない。
【室見川】室住団地横、矢倉橋周辺で観察。
【今津】瑞梅寺川河口、二つ池、三角池等で観察。
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