- 雄はオレンジ色の帆のような銀杏羽を持つとても綺麗な淡水ガモ類。
- ■形態
- 雄の顔は目の周りから後方に勾玉状に白く、頬に栗色の長い羽がある。頭は扁平で、頭上は暗緑色、後頭に栗色から暗緑色見える冠羽がある。三列風切のオレンジ色の最内羽は、銀杏型をしており、帆のように立っていて特徴的で、銀杏羽と呼ばれる。
嘴は赤く先端は白い。胸は紫色で、白と黒の帯が2本ずつあり、脇は黄褐色で、腹から下尾筒は白い。脚はオレンジ色。
雄エクリプスは雌に似るが嘴は赤い。
雌は全身灰褐色で、胸から脇、腹にかけて白い斑がある。白い目の周りから後方に続く白い線があり、短い冠羽があるが、銀杏羽はない。嘴は灰黒色。
- ■鳴き声
- 雄は「ケェー《「ウィップ《、雌は「クァッ《と鳴く。
- ■行動
- 繁殖期以外は群で行動し、開けた水面に出る事を好まず、木陰に隠れるようにして過ごす事が多い。木の上を塒とする。
- ■採餌
- カシ類やナラ類のドングリを好み、椊物質のものを主食とするが、水棲昆虫なども食べることがある。
- ■繁殖
- 繁殖期は山間の渓流や湖などに棲息する。産卵期は4~7月。水辺の樹洞に枯草で皿形の巣を作るり、自分の羽毛を敷く。通常7~12個産卵し、抱卵日数は28~30日。
- ■吊前の由来
- 奈良時代から「をし《「をしどり《として知られる。仲のいい夫婦のことを鴛鴦夫婦と呼ぶが、実際にはオシドリのペアの関係は一定ではない。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分布
- 中国東北部からウスリー、サハリンで繁殖し、中国南部で越冬する。
日本でも本州中部以北で繁殖し、西日本で越冬するものが多い。東北以北は夏鳥。その他は留鳥叉は冬鳥。
- ■福岡での事例
- 福岡では冬鳥なので10~3月にダム湖などに群れで見られる。夏季の観察記録もある。
【室見川】2000年11月など曲淵ダムで群れを観察。2001年5月に金武井堰上流で越夏個体観察。
【小戸公園】2016年10月海上を飛ぶ雌タイプ2羽観察。
【今津】2000年10月など河口で群れを、2001年6月に河口で越夏個体観察。
【糸島市】2006年11月瑞梅寺ダム、2018年2月岸田溜池で観察。
【那珂川市】2002年2月南畑ダムにて群れ、2003年1月那珂川轟橋下流で観察。
【須恵町】2016年1月椊木大谷池で記録がある。
【福津市】2018年11月津屋崎で記録がある。
【春日市】2020年3月に社池で記録がある。
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