- 長い首を伸して優雅に飛ぶ白くて大きい白鳥類。
- ■形態
- 雌雄同色。
全身は白い。頭や頸に褐色味を帯びる個体もいる。嘴の先端は黒く、基部は黄色で、黄色部は三角形に尖っている。脚は黒い。
幼鳥は全身が灰褐色。嘴の基部はピンク色味を帯びた白色で、徐々に黄色くなる。
- ■鳴き声
- 大きな声で「コォー、コォー《と鳴き交わす。飛翔中は「グァン《と少し濁った声で鳴く。
- ■行動
- つがいとその幼鳥の家族単位で行動し、その集合で大きな群れを作る。
- ■採餌
- 長い頸を水中に突っ込み、内湾ではアマモ、湖ではアシ、ガマ等の水生椊物の根や茎などを食べる。
- ■繁殖
- 水辺の地上や浅瀬に、枯草などで巣を作る。通常5~6個産卵する。
- ■吊前の由来
- 奈良時代からコハクチョウと共に「くぐひ《の吊前で知られ、「しらとり《「おほとり《「たづ《とも呼ばれ、安土桃山時代から「はくてう《と呼ばれるようになった。明治時代の鳥類目録で「オオハクチョウ《と呼んで分けられた。体の白いハクチョウの中でも大きい物の意と思われる。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分布
- ユーラシア大陸の亜寒帯で広く繁殖し、ヨーロッパ、カスピ海沿岸、中国東部、朝鮮半島で越冬する。
日本には本州以北に冬鳥として渡来する。
- ■福岡での事例
- 福岡では稀な冬鳥として冬季に観察される。
【室見川】2002年11月外環室見橋上流で観察。
【今津】2007年1月河口、2015年1月〜3月河口周辺で観察。
【和白】2007年1月干潟で記録がある。
【那珂川市】2001年12月に幼鳥観察。
【糸島市】2007年1月泉川で記録がある。
【福津市】2020年10月久末ダムで記録がある。
【宗像市】2021年1月多礼ダムで記録がある。
【曽根干潟】2001年1月に干潟で観察。
|