- ピンクの嘴とオレンジ色足が目立つガン類。
- ■形態
- 雌雄同色。
頭部からの上面が暗褐色で、背や翼に淡色の羽縁がある。上尾筒は白く、尾羽は黒褐色で外側尾羽と先端は白い。
嘴は桃色から橙色で、額から嘴基部周辺は白い。胸からの下面はやや淡く、腹に黒い横斑がある。下尾筒は白い。脚は橙色。
幼鳥は額から嘴基部周辺の白色部がなく、腹部の黒斑もない。
亜種オオマガンは亜種マガンよりも大きく、羽の色が濃い。
- ■鳴き声
- 「クヮハハン、クヮハハン《と少し甲高い声で飛び立つ時に鳴く。
- ■行動
- つがいとその幼鳥の家族単位で行動し、つがい関係は一方が死ぬまで維持される。
昼間は安全な湖沼などで休息し、早朝などに広い水田地帯へ飛来し群れで採餌する。
- ■採餌
- 地上を歩きながら、イネの落ち穂、マコモの実などの椊物性の餌を食べる。
- ■亜種
- 5亜種ある。
グリーンランド西部で繁殖する亜種A.a.flavirostris、
ロシア西部で繁殖する亜種A.a.albifrons、
アラスカ南部(米国)で繁殖する亜種A.a.elgasi、
アラスカおよびカナダ北西、北中央部で繁殖する亜種オオマガン(A.a.gambelli)、
アラスカ西部(米国)で繁殖する亜種A.a.sponsa。
- ■分類問題
- 国際鳥類学会(IOC)とは亜種分類が違う。
- ■分布
- ユーラシアと北米大陸の一部の寒帯で繁殖する。
日本では亜種マガン(A.a.frontalis)が冬鳥として本州に渡来し、宮城県伊豆沼、石川県片野鴨池、佐渡島などで越冬する。まれにアラスカなどで繁殖する亜種オオマガン(A.a.gambelli)も渡来する。
- ■福岡での事例
- 福岡では少ない冬鳥だが、今津ではほぼ毎年見られている。
【室見川】2014年1月に田村大橋下流で観察。
【今津】2000年10月以降ほぼ毎年河口、田尻、元浜など周辺で観察。2006年1月は田尻で15羽だった。
【糸島市】2010年10月閏で3羽観察、2013年11月小富士で3羽の記録がある。
【福津市】2016年10月津屋崎で4羽の記録がある。
【宗像市】2017年10月光岡で記録がある。
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