カモ目
ANSERIFORMES
カモ科
Anatidae
マガン属
Anser (Brisson, 1760)

マガン(真雁)
Anser albifrons (Scopoli, 1769)  Greater White-fronted Goose
L65~86cm W135~165cm
冬鳥
湖沼・農耕地
【1】成鳥。2010.01.05福岡県糸島市、板持にて撮影。
ピンクの嘴とオレンジ色足が目立つガン類。
■形態
雌雄同色。
頭部からの上面が暗褐色で、背や翼に淡色の羽縁がある。上尾筒は白く、尾羽は黒褐色で外側尾羽と先端は白い。
嘴は桃色から橙色で、額から嘴基部周辺は白い。胸からの下面はやや淡く、腹に黒い横斑がある。下尾筒は白い。脚は橙色。
幼鳥は額から嘴基部周辺の白色部がなく、腹部の黒斑もない。
亜種オオマガンは亜種マガンよりも大きく、羽の色が濃い。
■鳴き声
「クヮハハン、クヮハハン《と少し甲高い声で飛び立つ時に鳴く。
■行動
つがいとその幼鳥の家族単位で行動し、つがい関係は一方が死ぬまで維持される。 昼間は安全な湖沼などで休息し、早朝などに広い水田地帯へ飛来し群れで採餌する。
■採餌
地上を歩きながら、イネの落ち穂、マコモの実などの椊物性の餌を食べる。
■亜種
5亜種ある。
グリーンランド西部で繁殖する亜種A.a.flavirostris、 ロシア西部で繁殖する亜種A.a.albifrons、 アラスカ南部(米国)で繁殖する亜種A.a.elgasi、 アラスカおよびカナダ北西、北中央部で繁殖する亜種オオマガン(A.a.gambelli)、 アラスカ西部(米国)で繁殖する亜種A.a.sponsa
■分類問題
国際鳥類学会(IOC)とは亜種分類が違う。
■分布
ユーラシアと北米大陸の一部の寒帯で繁殖する。
日本では亜種マガン(A.a.frontalis)が冬鳥として本州に渡来し、宮城県伊豆沼、石川県片野鴨池、佐渡島などで越冬する。まれにアラスカなどで繁殖する亜種オオマガン(A.a.gambelli)も渡来する。
■福岡での事例
福岡では少ない冬鳥だが、今津ではほぼ毎年見られている。
【室見川】2014年1月に田村大橋下流で観察。
【今津】2000年10月以降ほぼ毎年河口、田尻、元浜など周辺で観察。2006年1月は田尻で15羽だった。
【糸島市】2010年10月閏で3羽観察、2013年11月小富士で3羽の記録がある。
【福津市】2016年10月津屋崎で4羽の記録がある。
【宗像市】2017年10月光岡で記録がある。

【2】1と同一個体。成鳥。上尾筒は白い。2010.01.05福岡県糸島市、板持にて撮影。

【3】成鳥と、後ろ2羽は幼鳥。家族単位と思われる。2002.10.03福岡県福岡市、今津瑞梅寺川河口にて撮影。

【4】成鳥。2006.01.25福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【5】成鳥。2006.01.29福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【6】幼鳥。2002.10.03福岡県福岡市、今津瑞梅寺川河口にて撮影。

【7】幼鳥。2003.12.22福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。

【8】飛翔。成鳥。2008.12.01島根県出雲市、斐伊川にて撮影。

【9】飛翔。成鳥。2008.12.01島根県出雲市、斐伊川にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2024/04/28作成