カモ目
ANSERIFORMES
カモ科
Anatidae
コクガン属
Branta (Scopoli, 1769)

コクガン(黒雁)
Branta bernicla (Linnaeus, 1758)  Brant Goose
L55~66cm W115~125cm
冬鳥
内湾・岩礁海岸
【1】成鳥。2002.11.28福岡県福岡市、今津宝島にて撮影。
他のガン類と違い、海で見られる事が多い小形のガン類
■形態
雌雄同色。
頭部からの上面が褐色味のある黒で、上頸の周囲に、黒い模様のある白い帯状の斑がある。上尾筒から尾は白く、尾の外側は黒い。飛ぶと上尾筒の白が目立つ。
嘴は黒い。胸から腹は褐色味のある黒で、脇に太く白い横斑がある。下腹部と下尾筒は白い。脚は黒い。
若鳥は全体に淡色で、頸の白い白い帯状斑も細い。
幼鳥は雨覆等の羽縁が白っぽく、頸の白い帯状斑がない個体もいる。
■鳴き声
「グルルグルルグルル《と低い声で鳴き交わす。
■行動
淡水域で塩分を落とすために水浴びをする。夜も海上で過ごす。
■採餌
岩礁でアマモやマコモ等の海草、アオサやイワノリ等の海藻を食べる。
■繁殖
ツンドラの地上に営巣する。通常5~6個産卵する。
■亜種
3亜種ある。 シベリア北東部、アラスカおよびカナダ北西部で繁殖する亜種B.b.nigricans、 ロシア北西、北中央部で繁殖する亜種B.b.bernicla、 カナダ北東部、グリーンランドおよびスピッツベルゲンで繁殖する亜種B.b.hrota
■分布
ユーラシアと北米大陸、グリーンランドなどの北極圏で繁殖し、西ヨーロッパ、中国の渤海湾、アリュ*シャン列島、北米沿岸部で越冬する。
日本では亜種コクガンが冬鳥として主に北海道東部、南部、東北地方北部に渡来するが、他の地域でも記録がある。
■福岡での事例
福岡ではまれな旅鳥または冬鳥として河口や海岸に渡来。
【今津】2002年11月に瑞梅寺川河口及び宝島で3羽観察。2007年12月河口で記録がある。
【和白】2002年1月、2016年12月和白海岸で記録がある。
【能古島】2017年11月海上で記録がある。
【志賀島】2008年12月で記録がある。
【福津市】2022年に記録があり、2024年2月に観察。

【2】成鳥。2002.11.27福岡県福岡市、今津瑞梅寺川河口にて撮影。

【3】成鳥。アオサを食べる。2002.11.28福岡県福岡市、今津宝島にて撮影。

【4】成鳥。2024.02.08福岡県福津市、津屋崎にて撮影。

【5】成鳥。2024.02.08福岡県福津市、津屋崎にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2024/04/28作成