- 上嘴が直線的で馬面に見える、
- ■形態
- 雄は額、目の下から上が黒く、目の下が白く、頬から側頸、後頸は薄黄緑色で両頬に縦に白線が入る。背は白く腰から下は黒い。翼は肩羽と小雨覆、中雨覆が白くて、風切などは黒い。
長く直線的な嘴は黄色。虹彩は黒く、喉から胸、脇は白く白く、胸は薄ピンク味を帯びる。腹から下は黒い。
亜種S.m.mollissimaは上嘴基部が尖っていて、嘴全体が黄色味が薄い。
亜種S.m.borealisは上嘴基部が丸くなっていて、嘴全体の黄色が濃く、先端が薄い。
亜種S.m.dresseriは上嘴基部が広く丸くなっていて、目の下に薄黄緑色の線がある。
雌は全体が茶褐色で、黒褐色の斑が入る。大雨覆と次列風切の先端が白く、翼帯となる。嘴は灰色から鉛色。
- ■採餌
- 雑食性で潜水して小魚類、甲殻類などを採餌するほか、海藻などの植物質の餌も食べる。
- ■名前の由来
- 良質の毛綿が取れることからケワタガモと呼ばれる。別名オオケワタガモ。
- ■亜種
- 5亜種ある。
シベリア北東部およびアラスカで繁殖する亜種S.m.v-nigrum、
グリーンランド、アイスランドおよびカナダ北東部で繁殖する亜種S.m.borealis、
ハドソン湾およびジェームズ湾(カナダ東中央部)で繁殖する亜種S.m.sedentaria、
グロスウォーター湾、ラブラドール(カナダ南東部)からマサチューセッツ州(米国北東部)で繁殖する亜種S.m.dresseri、
フェロー諸島、シェトランド諸島、オークニー諸島およびアウター・ヘブリディーズ諸島(ヨーロッパ北西部)で繁殖する亜種S.m.faeroeensis、
ヨーロッパ北西部からノヴァヤゼムリャ(ロシア北西部)で繁殖する亜種S.m.mollissima。
- ■分布
- グリーンランド中央、南部の沿岸、アイスランド、フェロー諸島、ヨーロッパ北西部からチュクチ半島(ロシア北東部)、アラスカから北極圏カナダを経てマサチューセッツ州(大西洋北西部)で繁殖する。
非繁殖期はフランス、カムチャッカ半島(ロシア南東部)、アリューシャン列島、ロングアイランド島(ニューヨーク)までん南下する。
日本には1971年北海道根室市落石岬で記録があるのみで、日本鳥類目録第8版でも「7版未掲載種・亜種」として検討種のままになっている。
- ■福岡での事例
- 福岡では記録がない。
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