- 黒い嘴の先に黄橙色の模様がある、大形のガン類。
- ■形態
- 雌雄同色。
頭部からの上面が暗褐色で、背や翼に淡色の羽縁がある。上尾筒は白く、尾は黒色で最外側尾羽と先端は白い。
嘴は黒く、先の方が黄橙色で、先端が黒。胸から脇にかけては暗褐色で、側胸から脇にかけては淡色羽縁がある。腹からの下面は白い。脚は橙色。
亜種オオヒシクイは嘴の薄くて長く体も大きく、亜種ヒシクイは嘴が太くて短く体も小さい。
- ■鳴き声
- 亜種オオヒシクイは太く低い声で「ガハハハーン《と鳴き、亜種ヒシクイはやや高めの声で「ギャハハーン《と鳴く。
- ■採餌
- 地上を歩きながら草の実などを食べるが、吊前通りヒシの実も好んで食べる。
- ■亜種
- 2亜種ある。
ロシア北部およびシベリア北西部で繁殖する亜種A.s.rossicus、
シベリア北東部で繁殖する亜種ヒシクイ(A.s.serrirostris)。
- ■分類問題
- 国際鳥類学会(IOC)では亜種オオヒシクイ(A.f.middendorffi)、亜種ヒメヒシクイ(A.f.curtus)を認めておらず、亜種ロシアヒシクイ(A.s.rossicus)に含めているものと思われる。
- ■分布
- ユーラシア大陸の亜寒帯から寒帯で繁殖する。
日本では冬鳥として本州を中心に渡来し、宮城県伊豆沼、新潟県福島潟、石川県片野鴨池、琵琶湖などで越冬する。亜種ヒシクイは渡来数の2割ほどといわれる。
- ■福岡での事例
- 福岡では少ない冬鳥。
【今津】亜種ヒシクイは2000年12月〜2001年1月、2007年4月〜5月、2008年1月に5羽、2021年11~22年3月などに田尻や河口で観察、2020年12月太郎丸で記録がある。亜種オオヒシクイは2009年1月に田尻、2011年1〜3月九大キャンパスで観察、2016年1月に瑞梅寺川河口で記録がある。
【糸島市】亜種ヒシクイは2016年10月泊大塚で18羽の群を観察。亜種オオヒシクイは2014年1月神在で記録がある。
【福津市】2009年10月津屋崎で亜種オオヒシクイの記録がある。
【宗像市】2017年10月曲で亜種オオヒシクイの記録がある。
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