カモ目
ANSERIFORMES
カモ科
Anatidae
Spatula属
Spatula (Boie, F, 1822)

ハシビロガモ(嘴広鴨)
Spatula clypeata (Linnaeus, 1758)  Northern Shoveler
L43~56cm W70~85cm
冬鳥
河川・湖沼・干潟
【1】雄。2005.12.20福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。
雌雄とも大きくて幅広い嘴を持つ大型の淡水カモ。
■形態
雄は頭部が光沢ある暗緑色で、眼先から頬は黒味がある。肩羽は長く、光沢のある緑色で軸斑は白い。翼は大雨覆は白く、中・小雨覆は青灰色で、その他は黒褐色。翼鏡は緑。腰から上尾筒は黒く、尾は白い。
嘴は黒く、虹彩は黄色。頸から胸は白く、脇と腹は栗色で、下腹の脇は白い。下尾筒は黒い。脚は橙色。
雌は全身褐色で、黒褐色の斑がある。雨覆は灰色。嘴はオレンジ色で、黒みを帯びたものも多い。虹彩は褐色。
雄エクリプスは雌に似るが、虹彩は黄色く、雨覆は青灰色。また、ハシビロガモの雄はエクリプスの後、頭部と体羽の一部を換羽して、繁殖羽になりかけのような羽衣のサブ・エクリプス段階がある。
■鳴き声
ほとんど鳴かない。雄は「クヮックヮッ《と低い声で鳴き、雌は「グェーグェッ《と低く濁った声で鳴く。
■採餌
特長ある嘴には合わせ目には薄い板がついていて、水をすくっては、プランクトンや草の実などの餌を漉して食べる。集団で水面に円を描いて泳ぎながら餌を捕る事がある。
■繁殖
産卵期は4~6月。水辺近くの乾いた草地の地上に営巣する。通常8~12個産卵し、抱卵日数は23~25日。
■亜種
亜種はない。
■分布
ユーラシア大陸北部、北米北部で繁殖、ヨーロッパ、北アフリカ、中東、インド、東南アジア、中国南部、挑戦反東南部、北米南部で越冬。
日本では少数が北海道で繁殖するが、大部分が冬鳥として全国に渡来。
■福岡での事例
福岡でも冬鳥で10~4月頃見られる。
【室見川】河口で観察されたことがある。
【今津】瑞梅寺川河口、三角池、二つ池等で観察できる。
【和白】干潟周辺で観察できる。

【2】雄。2005.3.25今津二つ池にて撮影。

【3】雌。2001.12.20福岡県福岡市、野多目にて撮影。

【4】雌。2008.10.21福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。

【5】左雌、右雄のエクリプス。2008.10.21福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。

【6】雄。エクリプス。虹彩が黄色い。2005.12.20福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。

【7】雄、エクリプスからサブ・エクリプスに換羽中。2004.1.19今津田尻二つ池にて撮影。

【8】雄、サブ・エクリプス。2005.1.19福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。

【9】雄、サブ・エクリプスから換羽中。2005.1.19福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。

【10】雄サブエクリプス飛翔。2010.02.22佐賀県伊万里市、八谷搦にて撮影。

【11】雌飛翔。2010.02.22佐賀県伊万里市、八谷搦にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2024/04/28作成