- 雌雄とも大きくて幅広い嘴を持つ大型の淡水カモ。
- ■形態
- 雄は頭部が光沢ある暗緑色で、眼先から頬は黒味がある。肩羽は長く、光沢のある緑色で軸斑は白い。翼は大雨覆は白く、中・小雨覆は青灰色で、その他は黒褐色。翼鏡は緑。腰から上尾筒は黒く、尾は白い。
嘴は黒く、虹彩は黄色。頸から胸は白く、脇と腹は栗色で、下腹の脇は白い。下尾筒は黒い。脚は橙色。
雌は全身褐色で、黒褐色の斑がある。雨覆は灰色。嘴はオレンジ色で、黒みを帯びたものも多い。虹彩は褐色。
雄エクリプスは雌に似るが、虹彩は黄色く、雨覆は青灰色。また、ハシビロガモの雄はエクリプスの後、頭部と体羽の一部を換羽して、繁殖羽になりかけのような羽衣のサブ・エクリプス段階がある。
- ■鳴き声
- ほとんど鳴かない。雄は「クヮックヮッ《と低い声で鳴き、雌は「グェーグェッ《と低く濁った声で鳴く。
- ■採餌
- 特長ある嘴には合わせ目には薄い板がついていて、水をすくっては、プランクトンや草の実などの餌を漉して食べる。集団で水面に円を描いて泳ぎながら餌を捕る事がある。
- ■繁殖
- 産卵期は4~6月。水辺近くの乾いた草地の地上に営巣する。通常8~12個産卵し、抱卵日数は23~25日。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分布
- ユーラシア大陸北部、北米北部で繁殖、ヨーロッパ、北アフリカ、中東、インド、東南アジア、中国南部、挑戦反東南部、北米南部で越冬。
日本では少数が北海道で繁殖するが、大部分が冬鳥として全国に渡来。
- ■福岡での事例
- 福岡でも冬鳥で10~4月頃見られる。
【室見川】河口で観察されたことがある。
【今津】瑞梅寺川河口、三角池、二つ池等で観察できる。
【和白】干潟周辺で観察できる。
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