- 「ジュウイチ《と聞こえる鳴き声のカッコウ類。
- ■形態
- 雌雄ほぼ同色。
頭部から上面は灰黒色で、後頸に白斑があり、三列風切の1枚の羽先が白い。尾は灰色で黒い横斑が数本あり、尾端の黒帯は幅が広く、羽端は橙色味を帯びる。喉から下は白く胸から腹は淡い橙色で、下尾筒は白い。アイリングは黄色。虹彩は暗橙色。嘴は黒褐色で、嘴基部と先端が黄色。
幼鳥は頭部からの上面が褐色で、白い下面に黒褐色の縦斑がある。
- ■鳴き声
- さえずりは「ジュウイチー ジュウイチー《と鳴くが、その姿を見つける事は難しい。
- ■採餌
- 樹上で昆虫類などを捕食する。
- ■繁殖
- コルリ、コマドリ、オオルリ、ルリビタキ等を託卵相手とする。巣から1個卵をくわえとり、淡青色の卵を1個産卵する。仮親の卵より先に孵化し、2~3日以内に卵や雛を背中で押し上げて、巣から放り出し、1羽だけで育雛される。巣立ちまでは19~20日。
- ■特徴
- 日本産のカッコウ類としては一番標高の高いところまで棲息する。
- ■吊前の由来
- 和吊は「ジュウイチ《と聞こえる鳴き声に由来する。
俳句ではジヒシンチョウ(慈悲心鳥)で知られ、夏の季語。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分布
- シベリア北東部、日本、朝鮮半島、中国北東部で繁殖し、アジア南東部、ボルネオ北部、サラワク北部で越冬。
日本では夏鳥として四国、本州、北海道に渡来する。
- ■福岡での事例
- 福岡では夏鳥として渡来するが少ない。
【室見川】上流の水無で春に囀りを確認。2004年9月唐の原で観察されている。
【今宿野外活動センター】2004年9月に観察した。
【糸島市】2014年5月に瑞梅寺で記録がある。
【九千部山】2011年6月、2020年5月に記録がある。
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