- 「キリッキリッキリッ」と良く通る声で鳴く、カイツブリ類。
- ■形態
- 雌雄同色。
夏羽では額から頭頂、背からの上面が黒褐色で、顔、喉、前頸、横頸が赤褐色。胸から下尾筒は淡褐色。太くて短い嘴は黒く、基部が黄白色。虹彩も黄白色。水かきのある足は黒い。
冬羽では全体に淡くなり、顔などの赤褐色部の赤みがなくなり、嘴基部の黄白色部も目立たなくなる。
雛は全身が黒褐色で、頭部から胸に白い筋模様があり、嘴は短くピンク色。アイリングもピンク。
幼鳥は顔などに筋模様が残る。嘴が伸び、虹彩も褐色。
第一回冬羽は成鳥冬羽に似るが、全体により淡色で、嘴も淡い。
- ■鳴き声
- 繁殖期には「キリッキリッキリッ、キリリリリ」と言った高い声で鳴いて縄張りを宣言する。「ピッピッ」「フィリリリ」等とも鳴く。
- ■行動
- 危険を感じると潜水して、遠く離れた水草の中などに逃げるが、水面を駆けるようにして逃げることもある。
- ■採餌
- 潜水して魚や、水棲昆虫、水草などを食べる。潜水時間は最長25秒ほど。
- ■繁殖
- 繁殖期は長い。水面に水草で浮き巣を作り、普通3〜6個産卵する。抱卵日数は20〜25日。雛は孵化後すぐに泳ぐことが出来る。
- ■亜種
- 7亜種あり、ヨーロッパからウラル山脈及びアフリカ北西部で繁殖する亜種T.r.ruficollis、
コーカサスからミャンマー及びスリランカで繁殖する亜種T.r.albescens、
イラク、イラン南西部で繁殖する亜種T.r.iraquensis、
サハラより南のアフリカ、マダガスカルで繁殖する亜種T.r.capensis、
アジア北東部から南西部、千島列島、日本、台湾で繁殖する亜種カイツブリ(T.r.poggei)、
ミンダナオを除くフィリピンで繁殖する亜種T.r.philippensis、
ミンダナオで繁殖する亜種T.r.cotabato。
日本鳥類目録第7版では大東諸島の個体群を亜種ダイトウカイツブリ(T.r.kunikyonis)としている。
- ■分布
- ユーラシア大陸、アフリカの温帯に棲息。
日本でも全国で繁殖するが、北のものは冬に暖地で越冬する。
- ■福岡での事例
- 福岡でも留鳥で、一年中見られる。
【室見川】河口から曲渕ダムまでの全流域で普通にみられる。
【今津】河口及び周辺の池で普通にみられる。
【和白】塩浜のクリーク。
【大濠公園】園内の池。
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