- 「ボロ着て奉公」と鳴き声を聞きなされる大形のフクロウ類。
- ■形態
- 雌雄同色。頭部から尾にかけての上面は褐色で、灰白色や淡褐色の斑が点在する。翼は短く、幅は広く、先は丸みを帯びている。尾は長め。羽角はなく、顔はハート型の縁取りがあり、灰褐色で、両目を中心に放射状に黒褐色の細い斑がある。下面は淡褐色で、褐色の縦斑がある。虹彩は暗褐色で、嘴は緑味のある黄色。足は黄色く、足指には羽毛がある。
羽の色は亜種間により違い、北の亜種の方がより白っぽい。
- ■鳴き声
- 主に夜に鳴く。さえずりは雌雄とも「ホォッホッ、ゴロスケホォッ」と鳴くが、雌は声量が少なく濁る。また、亜種エゾフクロウは「ホォ、ゴロスケホォッ」と「ホ」を1回しか鳴かないということも報告されている。聞きなしは「ボロ着て奉公」。繁殖期に巣の中で雌は「ギャッ」「ジャー」と濁った声で短く鳴く。幼鳥は「キィー」と甲高い声で鳴く。
- ■採餌
- 夜間木の枝などに止まり、獲物の立てる音に反応して採餌する。ネズミを主食として、小鳥やイタチなども食べる他、昆虫や小動物も捕らえる。
- ■繁殖
- 社寺等の大木の樹洞に営巣するほか、地上や廃屋、カラスやタカ類の古巣にも営巣する。通常1〜5個産卵し、第1卵を産むと抱卵にはいる。その為、雛に生育具合の差が現れる
- ■特徴
- 昼間はカラス等にモビングされる事が多い。
- ■亜種
- 日本では4亜種が分布する。北海道にはもっとも白い、亜種エゾフクロウ(S.u.japonica)、本州北部に亜種フクロウ(S.u.hondoensis)、本州中部に亜種モミヤマフクロウ(S.u.momiyama)、本州南部、四国、九州に亜種キュウシュウフクロウ(S.u.fuscescens)が分布する。
しかし、亜種エゾフクロウをフクロウと別種にする説がある反面、他の亜種の分布や差異も明確ではない。
- ■分布
- ユーラシア大陸のヨーロッパ北部からシベリア東部、中国北部、朝鮮半島にかけて広く留鳥として分布。日本では留鳥として九州以北に分布。
- ■福岡での事例
- 福岡では亜種キュウシュウフクロウが見られる。
【室見川】愛宕山で観察され、姪の浜でも鳴き声が聞こえた。
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