ハト目
COLUMBIFORMES
ハト科
Columbidae
アオバト属
Treron (Vieillot, 1816)

アオバト(緑鳩)
Treron sieboldii (Temminck, 1835)  White-bellied Green Pigeon
L33cmW55cm
留鳥
平地から山地の林
【1】雄。2013.06.30宮崎県高千穂市、にて撮影
群れで海水を飲みに行くことで知られる緑色の森林性のハト類。
■形態
雄は頭部から胸にかけては黄緑色で、背、腰、尾は緑灰色。 中雨覆と小雨覆は赤紫、大雨覆は緑褐色、風切は黒褐色。腹から下は淡い黄白色で、下尾筒は長く濃い緑褐色。光彩は外側が赤く、内側が青く、水色のアイリングがある。嘴も水色で、先端は黄色味を帯びる。足は赤紫色。
若い雄は雨覆の赤紫部分が少ない。
雌は雨覆の赤紫部分が緑褐色。
■鳴き声
「オーアオアー、オーアー」と独特の鳴き声。
■行動
非繁殖期は集団で行動する。海岸に塩水を飲みに来たり、温泉の湯を飲む習性がある。
■採餌
樹上でヤマザクラやナナカマドなどの液果を好んで採餌するが、木の新芽やドングリ類、硬い実や種子も食す。
■繁殖
森林の樹上に営巣し、通常2個産卵する。卵は乳白色で約32mm×25mm。ピジョンミルクで育雛する。
■名前の由来
平安時代からキジバトを「やまばと」と呼んでいたが、江戸時代初期からアオバトも「やまばと」と呼ばれるようになるが、体色から「あおばと」とも呼ばれるようになる。
■亜種
4亜種ある。
日本および中国東部で繁殖する亜種アオバト(T.s.sieboldii)、 四川省東部と陝西省南部(中国中央部)で繁殖する亜種T.s.fopingensis、 台湾で繁殖する亜種T.s.sororius、 中国南中央部、ベトナム北、中央部およびタイ北部で繁殖する亜種T.s.murielae
■分布
中国南東部、ベトナム、台湾に分布。
日本では九州以北に分布し、北海道、東北では夏鳥。
■福岡での事例
福岡でも留鳥。
【室見川】曲渕ダム周辺で観察された。
【油山】森の中で観察される。

【2】雄。2013.07.24宮崎県五ヶ瀬にて撮影。

【3】雄。2009.02.24大分県臼杵市にて撮影。

【4】雄。2021.02.06大分県佐伯市、本匠大字因尾にて撮影。

【5】雄。飼育個体。2019.12.09福岡県北九州市、到津の森にて撮影。

【6】若い雄。雨覆の赤紫部分が少ない。2005.02.13佐賀県佐賀市、森林公園にて撮影

【7】雌。2023.05.25宮崎県椎葉村、松尾にて撮影。

【8】雌。飼育個体。2019.12.09福岡県北九州市、到津の森にて撮影。

【9】群れ。2009.02.15宮崎県日之影町、七折にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2023/07/27作成