- オロロン鳥と呼ばれ、天売島での繁殖が減っている海鳥。
- ■形態
- 雌雄同色。夏羽では全身が黒褐色で、次列風切先端と胸から下尾筒が白い。目の後方に白っぽい線がある。嘴は黒く、脚も黒く短い。
冬羽では顔の目の後方、頬から喉、胸と白くなり、目の後方に細い黒褐色の線が延びる。
- ■鳴き声
- 繁殖地では「ウォルルーン《等と唸るように鳴く。この鳴き声をオロロンと聞きなして、オロロン鳥と言う。
- ■採餌
- 水中を飛ぶように翼を動かして泳ぎ、魚、甲殻類、軟体類等を捕食する。
- ■繁殖
- 絶壁の岩棚にコロニーを作る。巣材は使わず、直接岩の上に洋梨型の卵を1個産卵し、雌雄で抱卵、育雛する。抱卵日数は30~33日。雛は飛べるようになる前に海に飛び込み、海上で親鳥から世話を受ける。
- ■亜種
- 5亜種ある。
カナダ中央部からアイスランド、スコットランド、ノルウェー南部及びバルチック海に分布する亜種U.a.aalge、
ノルウェー北部からスヴァールバル諸島及びロシア北西部に分布する亜種U.a.hyperborea、
イギリス諸島からイベリア半島に分布する亜種U.a.albionis、
朝鮮半島東部、日本からベーリング海を経由してアラスカ西部及びカナダ北西部に分布する亜種ウミガラス(U.a.inornata)、
ワシントン州北部からカリフォルニア州(米国)に分布する亜種U.a.californica。
- ■分布
- 北太平洋及び北大西洋沿岸で繁殖し、冬季は南下する。
日本では亜種ウミガラスが北海道の天売島で少数が繁殖し、冬季は本州北部以北で見られる。
- ■福岡での事例
- 福岡岡での記録は未確認。
|