チドリ目
CHARADRIIFORMES
ツバメチドリ科
Glareolidae
ツバメチドリ属
Glareola (Brisson, 1760)

ツバメチドリ(燕千鳥)
Glareola maldivarum Forster, JR, 1795  Oriental Pratincole
L22~25cm W59~83cm
旅鳥または夏鳥
干潟・埋立地・河原・草地
【1】夏羽。 2005.04.24長崎県対馬市、厳原町浅藻にて撮影。
飛んでいる姿がツバメに良く似た鳥。
■形態
雌雄同色。
夏羽では、額から上面は灰色味のある茶褐色。眼先は黒く、眼の下に沿って白線がある。眼の下から喉を囲むように黒線があり、黒線の内側に白線がある。喉は淡黄白色。短く太い嘴は黒く、基部は赤い。翼は長く、尖っている。腰は白く、尾は凹尾で黒い。胸から脇にかけては淡い褐色で、腹から下は白い。脚は黒褐色。
冬羽では全体が淡くなり、嘴基部の赤みがなく、喉を囲む黒線もぼやける。
■鳴き声
飛び立つ時などに「クリッ《等と鳴くほか、飛び回りながら「クリリリリリ《と警戒音を出す。
■行動
長い翼でゆっくり羽ばたき、滑翔を交え、急旋回などしたりして軽快に飛ぶ。
■採餌
飛びながらトンボやアブなどの昆虫をとったり、地面を歩きながら昆虫を採る。
■繁殖
日本では、河原などの草の少ない開けた場所で、小コロニーを作り繁殖する。巣は地上を浅く掘り窪め、木片や貝殻などを敷く。通常2~3個産卵し、抱卵期間は18日程度。巣に外敵が近づくと、上空を鳴きながら飛び回り、擬傷行動もする。
■亜種
亜種はない。
■分布
インド北部、東南アジア北部、中国東部で繁殖し、インド、東南アジア、中国南部、ニューギニア、オーストラリアで越冬する。
日本では春秋に旅鳥として渡来するが、1974年以降関東以南で局地的に繁殖していることが確認された。
■福岡での事例
福岡でも旅鳥だが、1970年台に箱崎埠頭で繁殖の記録があり、筑後川流域でも繁殖の記録がある。
【今津】2003年5月、2004年4月、2005年10月に田尻で、2019年8月に元浜で観察。2003年4月、2004年5月、2006年9月太郎丸で観察し、2015年5月, 2020年8月に同所で記録がある。
【糸島市】2011年5月新田、2018年9月板持で観察、2015年8月に荻浦で記録があり、2023年5月に観察。
【福津市】2015年4月に勝浦で記録がある。

【2】夏羽。2011.04.27佐賀県白石町、有明干拓にて撮影。

【3】夏羽。 2005.04.24長崎県対馬市、厳原町浅藻にて撮影。

【4】夏羽。 2003.04.30福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。

【5】夏羽。水浴びをしていた。2011.05.09福岡県糸島市、新田。

【6】冬羽へ換羽中。嘴基部に赤い部分が残る。 2019.08.31福岡県福岡市、今津元浜にて撮影。

【7】白い腰と黒い尾羽が見える。冬羽へ換羽中。 2019.08.31福岡県福岡市、今津元浜にて撮影。

【8】冬羽。 2005.10.12福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【9】冬羽。2006.09.25福岡県福岡市、今津元浜にて撮影。

【10】腰は白く、翼には翼帯はない。夏羽。 2005.04.24長崎県対馬市にて撮影。

【11】飛翔。翼下面は赤みがある。2023.05.09福岡県糸島市、荻の浦イビセキにて撮影。

【12】飛翔。腰は白い。2023.05.09福岡県糸島市、荻の浦イビセキにて撮影。

【13】飛翔。翼下面は赤みがある。2023.05.09福岡県糸島市、荻の浦イビセキにて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/05/11作成