チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
クサシギ属
Tringa (Linnaeus, 1758)

ツルシギ(鶴鴫)
Tringa erythropus (Pallas, 1764)  Spotted Redshank
L29~32cm W61~67cm
旅鳥
水田・湖沼・干潟
【1】夏羽。2007.05.07佐賀県佐賀市、大授搦にて撮影。
夏羽では黒い体と赤い足が良く目立つ中形のシギ類。
■形態
雌雄同色。
夏羽では全身が黒く、翼と背に白斑が散在する。目の周りに白いアイリングがあり、黒く嘴の下嘴基部だけが赤い。足は長く暗赤色。
冬羽では上面は灰褐色で、下面は白い。また眉斑が白く明瞭。嘴基部と足の赤色は鮮やか。
幼羽は、冬羽に似るが、全体に暗色で、喉からの下面には灰褐色の斑が密ある。
■鳴き声
止まっている時に「チュイッ《と済んだ声で鳴く。繁殖地では飛びながら「チュィー チュィー チョッチョッ チュィー《等と鳴き、縄張りを宣言する。
■行動
干潟より内陸の湿地に渡来することが多い。春の方が渡来数が多い。
■採餌
水棲昆虫やオタマジャクシなどの小動物を食べる。
■繁殖
林や藪のある沼沢地の地上に営巣し、通常4個産卵する。雄が主に抱卵する。
■吊前の由来
江戸時代後期には「あかがねしぎ《「ちうつるしぎ《「つるしぎ《の吊前が出てくるが、チュウシャクシギを「つるしぎ《と読んでいるものもある。脚が鶴のように長いと言うことからだろうと思われる。
■亜種
亜種はない。
■分布
ユーラシア大陸の亜寒帯から寒帯にかけて繁殖し、ヨーロッパ南部、アフリカ、インド、東南アジアで越冬する。
日本には旅鳥として春秋に渡来するほか、本州以南で越冬するものもいる。また、秋より春の方が渡来数が多い傾向がある。
■福岡での事例
福岡では旅鳥で、2月~5月と8~10月に見られる。
【室見川】1984.3橋本で記録があり、2023年10月に記録がある。
【今津】2001年3月、2002年11月などに周船寺川水門で観察して以降、河口干潟太郎丸などで観察。
【糸島市】2006.10、2010.10、2012.11泊カタクリ溜池、2011.10板持などで観察。
【福津市】2007年9月西郷川河口、2016年9月勝浦で記録がある。

【2】冬羽。2003.04.05福岡県福岡市、今津干潟にて撮影。

【3】冬羽。2006.03.17福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【4】幼羽。2001.10.07佐賀県白石町、福富干拓にて撮影。

【5】左幼羽、右幼羽から第1回冬羽に換羽中(?)。2001.10.06福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【6】翼下面は白い。幼羽。2019.09.21福岡県福岡市、今津干潟にて撮影。

【7】飛翔。幼羽。背が白く、翼に白斑はない。2023.11.05福岡県福岡市、今津干潟にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/11/05作成