チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
オバシギ属
Calidris (Merrem, 1804)

オジロトウネン(尾白当年)
Calidris temminckii (Leisler, 1812)  Temminck's Stint
L13~15m W26~31cm
旅鳥または冬鳥
淡水湿地・水田・湖沼の岸
【1】夏羽。2013.04.25福岡県糸島市、泊にて撮影。
トウネンに良く似た、尾羽の外側が白い小型のシギ類。
■形態
雌雄同色。
夏羽では頭部からの上面が灰褐色で、赤褐色と黒褐色の斑がある。胸は淡い黄褐色で、黒い縦斑がある。腹から下は白い。嘴は黒く、基部は淡い。足は短く黄緑色。飛翔時外側尾羽の白色が良く目立つ。静止時翼端は尾に達しない。
冬羽では上面が灰褐色で、胸は灰色味を帯び、腹から下の白と境界がはっきりしている。
幼鳥は成鳥冬羽に似るが褐色味が少なく、背、肩羽、雨覆、三列風切に黒いサブターミナルバンドが見られる。
■鳴き声
「チュリリリリリ《と細い虫のような声で鳴く。
■行動
淡水を好み、広い干潟や海岸に出る事は少ない。
■採餌
歩き回って、泥の表面や水面をついばみ、ミミズ、甲殻類、昆虫などの動物質の餌を採る。
■繁殖
針葉樹林からツンドラに変わる境目あたりの低木のまばらな草原で、低木の根元の地上に巣を作る。雌は4個産卵して、雄に抱卵を任せ、別の巣でさらに4個産卵して、自分で抱卵する。
■亜種
亜種はない。
■分布
シベリア北部の亜寒帯で繁殖し、アフリカ中部、中東、インド、東南アジアで越冬する。
日本には旅鳥として主に秋に渡来するが、越冬する個体もいる。
■福岡での事例
福岡では旅鳥として春秋の渡り時期に見られ、越冬個体もあったが、2020年代ではかなり少ない。
【室見川】室住団地横や小田部小学校横で2~4月に観察された。
【今津】元岡農耕地の休耕田で観察。
【多々良川】干潟で観察されている。

【2】夏羽に換羽中。羽縁に赤褐色味がある夏羽が出てきている。2003.04.05福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【3】夏羽に換羽中。2006.04.29対馬市にて撮影。

【4】夏羽に換羽中。2010.04.18福岡県福岡市、室見川小田部大橋下流にて撮影。

【5】夏羽に換羽中。2010.05.03福岡県福岡市、室見川小田部大橋下流にて撮影。

【6】摩耗した夏羽。2002.08.18佐賀県有明干拓地にて撮影。

【7】冬羽。2004.01.30福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【8】冬羽。2005.02.19福岡県福岡市、室見川小田部大橋下流にて撮影。

【9】冬羽。摩耗が進んでいる。2003.04.50福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【10】白い翼帯がある。冬羽。2007.03.20福岡県福岡市、室見川小田部大橋下流にて撮影。

【11】幼羽。雨覆等は摩耗しているが、肩羽に黒いサブターミナルバンドが見られる。2001.09.08福岡県福岡市、今津工場裏にて撮影。

【12】幼羽。肩羽や雨覆等に黒いサブターミナルバンドが見られる。2004.09.03福岡県福岡市、今津元浜にて撮影。

【13】第1回冬羽。肩羽などに灰色の冬羽が出ているが、雨覆などサブターミナルバンドのある幼羽。2012.10.09福岡県糸島市、板持にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/06/29作成