チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
オグロシギ属
Limosa ()

オグロシギ(尾黒鴫)
Limosa limosa (Pallas, 1811)  Black-tailed Godwit
L37~41cm W70~80cm
旅鳥
干潟・水田・湿地
【1】夏羽雄。2015.05.17福岡県糸島市、泊にて撮影。
長くまっすぐな嘴を持つ大型のシギ。
■形態
雌雄ほぼ同色。
夏羽雄は頭部から腹にかけて赤茶色で、頭頂から後頸に黒褐色の縦斑がある。眉斑は白い。背からの上面は、黒、淡褐色、白の複雑な模様で、雨覆は灰褐色。雨覆は黒く、基部が白く、広げると白い翼帯が目立つ。尾は黒い。腹から下は白く、赤褐色と黒の横斑がある。翼下面は下雨覆、腋羽は白い。嘴はまっすぐで、長く、淡い肉色で先端が黒い。足は長く、黒い。
冬羽では、頭部からの上面と胸は灰褐色となり、腹から下は白い。
雌は全体に淡色で、体も一回り小さい。
幼羽では、頭部から胸が淡褐色で、背からの上面は黒褐色の軸斑に淡褐色の羽縁がある。
■鳴き声
繁殖地では「ピューイ ピューイ《と大声で鳴きながらディスプレー飛翔をする。採餌中や飛び立つ時に「キッ キッ キッ《等と鋭く鳴く。
■行動
オオソリハシシギより淡水域を好む。
■採餌
長い嘴を垂直に突立て、主にゴカイなどを捕える。
■亜種
4亜種あり、 ヨーロッパ西、中央部からアジア中央部で繁殖する亜種L.l.limosa、 アジア中央、東部で繁殖する亜種オグロシギ(L.l.melanuroides)、 ロシア極東部(推定)で繁殖する亜種L.l.bohaii、 アラスカで繁殖する亜種L.f.beringiae、 カナダ中央、南中央部及び米国北中央部で繁殖する亜種L.f.fedoa)。
■分布
ヨーロッパ中部から中央アジアと、アムール等で繁殖し、ヨーロッパ南部、アフリカ北部沿岸及び中部、インド、東南アジア、オーストラリアで越冬する。 日本には旅鳥として亜種オグロシギが春と秋に渡来する。
■福岡での事例
福岡でも旅鳥4~5月と8月~10月に見られるが、多くない。
【今津】干潟や周辺農耕地で観察。
【糸島】泊農耕地で観察。

【2】夏羽雄。2007.05.17佐賀県佐賀市、大授搦にて撮影。

【3】夏羽雄。腰は白いが尾羽は黒い。白い翼帯がある。2007.05.17佐賀県佐賀市、大授搦にて撮影。

【4】夏羽雌。2005.04.23長崎県対馬市にて撮影。

【5】夏羽雌。2007.05.17佐賀県白石町、福富干拓にて撮影。

【6】夏羽から冬羽に換羽中。2004.09.17福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【7】擦れた夏羽から冬羽へ換羽中。2002.09.08佐賀県有明干拓にて撮影

【8】幼羽。2010.09.06福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【9】幼羽。2005.09.25福岡県福岡市、今津にて撮影。

【10】幼羽。2001.09.19福岡県福岡市、今津周船寺川にて撮影。

【11】第1回冬羽へ換羽中。2005.09.18福岡県福岡市、今津周船寺川にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2022/09/17作成