チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
オバシギ属
Calidris (Merrem, 1804)

オバシギ(尾羽鴫)
Calidris tenuirostris (Horsfield, 1821)  Great Knot
L26~28cm W62~66cm
旅鳥
干潟・砂浜・湿地
【1】夏羽。2023.04.10福岡県福岡市、マリナタウン海浜公園にて撮影。
夏羽では胸が黒い帯のように見える中型のシギ類。
■形態
雌雄同色。
夏羽では頭部は白く、黒褐色の縦斑があり、背から腰は黒褐色の班が大きく、肩羽には赤褐色と黒の大きな斑がある。翼は黒褐色で、淡色の羽縁があり、大雨覆の羽先が白く、飛ぶと白い翼帯となる。上尾筒は白く、尾羽は黒褐色。胸からの下面はには黒褐色の斑があり、胸には密集していて黒い帯のように見える。嘴は黒くて長く、頭部の約1.5倊。虹彩は黒い。脚は暗い緑黄色。
冬羽では体上面は灰褐色で、黒い羽軸と細い白い羽縁があり、胸や脇の黒褐色斑は淡くなる。
幼羽は冬羽に似るが肩羽などは柊模様の黒い軸班が明瞭で、雨覆などは羽軸とサブターミナルバンドで錨型の模様に見える。
■鳴き声
飛翔時に「キィッ、キィッ《と鳴く。
■繁殖
ツンドラ地帯の標高300~1000mの山地に棲息し、地上の巣に4個産卵する。雌雄ともに抱卵するが、孵化する前に雌は繁殖地を去り、雄だけが雛の世話をする。雄は偽傷する。
■吊前の由来
江戸時代中期より「をばしぎ《の吊前で知られる。上尾筒が白く、尾羽の黒色が目立つからか、「尾羽鴫《と表記される。
■亜種
亜種はない。
■分布
シベリア北東部で繁殖し、インド、東南アジア、ニューギニア、オーストラリアで越冬する。
日本には旅鳥として、春と秋に渡来する。
■福岡での事例
福岡でも旅鳥として、4~5月、8~10月頃に小群で見られるが、近年は少ない。
【室見川】マリナタウン海浜公園で観察。
【今津】河口干潟及び周辺農耕地にて観察
【和白】干潟にて観察。
【糸島市】春の渡り時、新田の水田で観察。

【2】夏羽。2023.04.10福岡県福岡市、マリナタウン海浜公園にて撮影。

【3】胸は黒い斑が密。夏羽。2023.04.10福岡県福岡市、マリナタウン海浜公園にて撮影。

【4】上尾筒は白い。2023.04.10福岡県福岡市、マリナタウン海浜公園にて撮影。

【5】翼下面は白い。2023.04.10福岡県福岡市、マリナタウン海浜公園にて撮影。

【6】摩耗した夏羽。2002.08.26福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。

【7】冬羽。2001.05.03福岡県福岡市、今津水門にて撮影。

【8】夏羽に換羽中の冬羽。胸の黒い斑が出てきている。2023.04.08福岡県福岡市、マリナタウン海浜公園にて撮影。

【9】幼羽。2003.08.27福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。

【10】幼羽。2005.09.08福岡県福岡市、今津周船寺川にて撮影。

【11】冬羽が出始めた幼羽。肩羽に数枚灰色の冬羽が出ている。2002.8.26福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。

【12】第1回冬羽に換羽中。肩羽に灰色の冬羽が出ている。2011.09.05福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【13】貝類を好んで食べる。嘴には歯のようなギザギザがある。幼羽。2003.08.21福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/06/13作成