チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
オバシギ属
Calidris (Merrem, 1804)

ミユビシギ(三趾鴫)
Calidris alba (Pallas, 1764)  Sanderling
L20~21cm W40~45cm
旅鳥又は冬鳥
砂質の干潟・砂浜
【1】夏羽。2013.05.13熊本県荒尾市、蔵満海岸にて撮影。
冬羽では白っぽい体に、黒い翼角が目立つ小型のシギ類。
■形態
雌雄同色。
夏羽では頭から胸は赤褐色で黒褐色の縦斑がある。上面の各羽は軸斑が黒く赤褐色や白色の羽縁がある。腹からの下面は白い。嘴は黒く、脚も黒い。趾は3本で、後趾がない。
冬羽では頭部に黒い縦斑があり、上面は灰白色。喉からの下面も白い。
幼鳥は頭部に黒い縦斑があり、上面は背や肩羽の黒い軸斑が明瞭で、白黒のコントラストが強い。特に肩羽はヒイラギ状の黒い軸斑。
■鳴き声
「クリィ《「チュッ《と小声で鳴く。
■行動
砂地を好み、砂浜や砂質の干潟にあらわれる。
■採餌
砂浜を歩きながら小型の甲殻類等を採る。
■繁殖
ツンドラ地帯の地上に営巣するが、密集して繁殖しない。通常4個産卵し、雌雄で抱卵し、抱卵日数は24~32日。2巣分の卵を産み、最初の巣は雄が、後の巣は雌が抱卵する事もある。
■吊前の由来
通常シギ類にはある後趾がなく、趾が3本のシギという意味か。江戸時代後期に「しろちどり《の吊で記されているが、チドリ類のように趾が3本しかないことからか。
■亜種
亜種はない。
■分布
北極圏で繁殖し、北アメリカや南半球で越冬。
日本には旅鳥として春秋に飛来するほか、本州中部以南で越冬するものもいる。
■福岡での事例
福岡では冬鳥で、西福岡マリーナで100前後の群れが越冬する。今津では少ない。
【室見川】2003年12月以来マリナタウン人工海浜、愛宕、室見新橋までの間の干潟でほぼ毎年観察。
【西福岡マリーナ】2006年12月以降毎年ハマシギとともに越冬群観察。
【小戸公園】2017年12月、2019年12月に砂浜で観察。
【今津】2001年3月に河口干潟で観察。
【和白】2001年1月、2003年12月、2005年11月などに干潟で観察。
【西戸崎】2006年2月などに砂浜で小群を観察。
【古賀市】2011年9月花鶴川河口で観察。

【2】夏羽。2013.05.13熊本県荒尾市、蔵満海岸にて撮影。

【3】夏羽。2013.05.13熊本県荒尾市、蔵満海岸にて撮影。

【4】夏羽。2013.05.13熊本県荒尾市、蔵満海岸にて撮影。

【5】飛翔。夏羽。2013.05.13熊本県荒尾市、蔵満海岸にて撮影。

【6】摩耗した夏羽。2022.08.22福岡県福岡市、室見川マリナタウン人工海浜にて撮影。

【7】冬羽へ換羽中。2022.08.21福岡県福岡市、室見川マリナタウン人工海浜にて撮影。

【8】冬羽へ換羽中。脚のフラッグは豪州ヴィクトリア州で付けられたもの。2010.09.09福岡県福岡市、室見川マリナタウン人工海浜にて撮影。

【9】冬羽。2022.12.29福岡県福岡市、室見川マリナタウン人工海浜にて撮影。

【10】冬羽。2003.12.19福岡県福岡市、室見川マリナタウン人工海浜にて撮影。

【11】飛翔。冬羽。2022.12.29福岡県福岡市、室見川マリナタウン人工海浜にて撮影。

【12】摩耗した冬羽。2021.04.18福岡県福岡市、室見川マリナタウン人工海浜にて撮影。

【13】幼羽。2010.09.09福岡県福岡市、室見川マリナタウン人工海浜にて撮影。

【14】幼羽。2010.09.10福岡県福岡市、室見川マリナタウン人工海浜にて撮影。

【15】第一回冬羽。雨覆に幼羽が残る。2003.12.27福岡県福岡市、室見川マリナタウン人工海浜にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/09/12作成