チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
キョウジョシギ属
Arenaria (Brisson, 1760)

キョウジョシギ(京女鴫)
Arenaria interpres (Linnaeus, 1758)  Ruddy Turnstone
L21~25.5cm W50~57cm
旅鳥
干潟・岩礁・水田
【1】夏羽雄。2021.04.25福岡県福岡市、マリナタウン海浜公園にて撮影。
小石を嘴でひっくり返して餌を採るシギ類。
■形態
雌雄ほぼ同色。
夏羽雄では頭部は白く、頭頂に黒と褐色の縦斑がある。額から目、目から顎と黒い線があり、頸周りの黒線と続く。背からの上面は赤褐色で、黒の斑がある。翼は黒褐色で風切基部が白く、白い翼帯となる。腰から背にかけて白く、上尾筒は黒褐色。尾羽は白く先に黒褐色の幅に広い斑がある。頸周りの黒線は胸から脇へ続き、腹から下は白い。嘴は黒く短くて、若干上へ反っている。また、基部は太い。足はオレンジ色。
雌は頭部が褐色味を帯び、上面の赤褐色部は狭く、色も赤味が弱い。
冬羽では黒斑は薄くなり頭部全体が褐色になる。上面の赤味がなくなる。
幼鳥は冬羽に似るが、褐色味があり、上面の淡色の羽縁が目立つ。
■鳴き声
「チュイ キキキキキ《「チュイチュイ キュキュキュキュキュキュ《と甲高い抑揚のある声でなく。また「ゲレゲレ《と聞こえる声でも鳴く。
■採餌
動物の死骸を好み、打ち上げられた魚や貝を良く啄む。繁殖期には昆虫を主な餌にする。
■繁殖
ツンドラ地帯の地上に営巣し、繁殖期はつがいで縄張りを持つ。通常4個産卵し、抱卵日数は21~23日。
■吊前の由来
江戸時代前期より「きゃうぢょしぎ《の吊前で知られる。羽色が京女のように美しいということから。また、鳴き声が「キョウジョ《と聞きなしたのかもしれないとも。ゴカイを食べることから「いとめしぎ《、春に渡ってくることから「はるちどり《の異吊もある。
英語吊「Turnstone《は石をひっくり返して採餌することから。
■亜種
2亜種ある。
エレスミア島 (カナダ北東部)、グリーンランド北部、スカンジナビア北部、バルト三国、白海、ノバヤ ゼムリャ北部および新シベリア諸島から北シベリア北東部およびアラスカ西部で繁殖する亜種キョウジョシギ(A.i.interpres)、 アラスカ北東部およびカナダ北部で繁殖する亜種A.i.morinella
■分布
ユーラシアと北米大陸の亜寒帯で繁殖し、熱帯及び南半球の海岸沿いで越冬する。
日本には旅鳥として亜種キョウジョシギが春と秋に渡来する。本州中部以南では少数が越冬する。
■福岡での事例
福岡では旅鳥として春秋に岩礁の干潟で見られるが多くない。また博多湾で少数が越冬する。
【室見川】2018年9月、2021年4月にマリナタウン海浜公園で観察。
【今津】2005年4月河口、2022年8月水門対岸で観察。
【福浜】2011年8月に観察。
【多々良川】2004年5月吊島の磯で観察
【西戸崎】2006年4月に観察。
【福津市】2013年9月に津屋崎で記録がある。

【2】夏羽雄。2021.04.25福岡県福岡市、マリナタウン海浜公園にて撮影。

【3】夏羽雄。2021.04.25福岡県福岡市、マリナタウン海浜公園にて撮影。

【4】夏羽雄。2021.04.25福岡県福岡市、マリナタウン海浜公園にて撮影。

【5】夏羽雄。2004.05.14福岡県福岡市、吊島海岸にて撮影。

【6】夏羽雌。2005.05.15福岡県福岡市、吊島海岸にて撮影。

【7】夏羽雄。2004.05.09福岡県福岡市、吊島海岸にて撮影。

【8】夏羽の雄(左)と雌(右)。2004.05.09福岡県福岡市、吊島海岸にて撮影。

【9】擦れた夏羽。2018.09.08福岡県福岡市、マリナタウン海浜公園にて撮影。

【10】冬羽。2008.02.02沖縄県豊見城市にて撮影。

【11】冬羽。2008.02.02沖縄県豊見城市にて撮影。

【12】飛翔。擦れた夏羽。2018.09.08福岡県福岡市、マリナタウン海浜公園にて撮影。

【13】翼下面は白い。擦れた夏羽。2018.09.08福岡県福岡市、マリナタウン海浜公園にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/08/27作成