チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
クサシギ属
Tringa (Linnaeus, 1758)
クサシギ(草鴫)
Tringa ochropus
Linnaeus, 1758 Green Sandpiper
L21~24cm W57~61cm
旅鳥又は冬鳥
水田・川岸・湿地
【1】夏羽。2005.05.04福岡県福岡市、今津元浜にて撮影。
地味な羽衣で、ひっそり1羽でいることが多い中型のシギ。
■形態
雌雄同色。
夏羽では頭部から胸にかけて白地に灰褐色の縦斑が密にあり、白い眉斑は目の上で終る。アイリングは白い。嘴は黒く、基部は淡い。背から翼は黒褐色で、羽縁に小さな白斑が点在。翼下面は黒っぽい。腰から尾は白く、尾には黒い横縞がある。腹から下は白く、脚は灰緑色。
冬羽では頭部から胸にかけて灰褐色となり、喉が白い。背から翼の白斑は小さくなる。
幼羽は冬羽に似るが、翼の白斑は丸く、羽先も丸い。
■鳴き声
飛び立つ時に「チュイッ チュイ チュイ《等と鳴く。飛びながら「チュリー《等とも鳴く。
■行動
日本では単独行動していることが多く、広い干潟に出ることはない。
■採餌
水や泥に中に嘴を突っ込んだりして、水棲昆虫や貝などの小動物を採る。
■繁殖
樹上に営巣し、カラス、ツグミ類などの古巣を利用することもある。切り株、枝、倒木などの上に積もった針葉樹の葉の上で営巣することもある。通常4個産卵し、抱卵日数は20日程。孵化した雛は、すぐに巣から地上に飛び降りる。
■亜種
亜種はない。
■分布
ユーラシア大陸の亜寒帯で広く繁殖し、アフリカ、インド、東南アジア、オーストラリアなどで越冬する。
日本には旅鳥として全国に渡来するが、関西以西は冬鳥として越冬する。
■福岡での事例
福岡では冬鳥で9~4月頃。
【室見川】中流の堰等で観察。
【今津】周辺農耕地で観察。
【2】冬羽から夏羽へ換羽中。肩羽等に斑のある夏羽が出ている。2005.04.17福岡県福岡市、室見川金武井堰にて撮影。
【3】冬羽から夏羽へ換羽中。顔から胸へかけて縦斑状になっている。2005.04.17福岡県福岡市、室見川金武井堰にて撮影。
【4】夏羽。雨覆いに少し冬羽が残っている。2005.05.08福岡県福岡市、室見川金武井堰にて撮影。
【5】夏羽。2006.05.05福岡県福岡市、室見川金武井堰にて撮影。
【6】夏羽から冬羽へ換羽中。翼などが斑の少ない冬羽に換羽している?もしくは摩耗している。2003.08.23福岡県福岡市、今津元浜にて撮影。
【7】冬羽。2006.03.07福岡県福岡市、室見川金武井堰にて撮影。
【8】幼羽。腰の白い部分が見える。2004.09.02福岡県福岡市、今津田尻農耕地にて撮影。
【9】幼羽。2002.09.03福岡県福岡市、今津元岡にて撮影。
【10】第1回冬羽。2001.12.30福岡県糸島市、蛇石にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/06/30作成