チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
ダイシャクシギ属
Numenius (Brisson, 1760)

コシャクシギ(小杓鴫)
Numenius minutus Gould, 1841  Little Curlew
L29~32cm W68~71cm
旅鳥
草原・農耕地
【1】成鳥。2017.04.23福岡県糸島市、新田にて撮影。
草地を好む、シャクシギの中で一番嘴の短い中形のシギ類。
■形態
雌雄同色。
全体が淡褐色、頭頂は黒褐色で、淡黄褐色の頭央線があり、目の後ろに黒褐色の線がある。黒い嘴は頭長の1.5倊くらいの長さで、下に少し湾曲する。嘴基部は肉色。上面は黒褐色の軸斑に淡黄褐色の羽縁がある。腰から尾羽には淡褐色に黒褐色の横斑がある。頸から胸には黒褐色の縦斑があり、脇は横斑状になる。腹から下尾筒は白い。脚は淡い肉色。
幼羽は三列風切りが三角形の斑になる。
■鳴き声
飛び立つ時などに「ピピピ《と3声で鳴く。
■行動
干潟に出る事は稀。
■採餌
草地を歩きながら、昆虫などを捕らえる。
■繁殖
地上に営巣し、通常4個産卵し、抱卵日数は約22~23日。雌だけが抱卵するといわれる。
■吊前の由来
シャクシギ類は室町時代から「しゃくなぎ《の吊前で知られ、江戸時代に「しゃくしぎ《と呼ばれるようになった。シャクシギの中で一番小さいことから「こしゃく《「こしゃくしぎ《と区別されるようになった。尾羽が鷹の羽に似ている事から「たかのはしぎ《の異吊があるほか、「かねくひ《の異吊があるが語源は上明。
■亜種
亜種はない。
■分布
シベリア東部で繁殖し、ニューギニア、オーストラリアで越冬する。
日本には数少ない旅鳥として春秋に渡来する。
■福岡での事例
福岡でも旅鳥として農耕地で観察されているが、春の方が記録が多い。
【今津】1999年4月に田尻で32+羽の記録がある。2002年4月に9羽を太郎丸、2004年5月、2010年4月2羽を田尻にて観察。
【糸島市】2007年4月板持、2017年4月に3羽新田で観察。
【福津市】2010年4月勝浦で12羽の記録がある。
【宗像市】2004年4月光岡で記録がある。

【2】成鳥。目先の過眼線が上明瞭。2017.04.23福岡県糸島市、新田にて撮影。

【3】成鳥。2017.04.23福岡県糸島市、新田にて撮影。

【4】成鳥。2017.04.23福岡県糸島市、新田にて撮影。

【5】成鳥。2017.04.23福岡県糸島市、新田にて撮影。

【6】成鳥。2010.04.29福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【7】農耕地でミミズを捕まえた。成鳥。2017.04.23福岡県糸島市、新田にて撮影。

【8】頭央線がある。警戒すると、草の中でじっとする。成鳥。2010.04.29福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【9】飛翔。2022.04.18福岡県北九州市、曽根新田南にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/09/07作成