チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
オバシギ属
Calidris (Merrem, 1804)

コオバシギ(小尾羽鴫)
Calidris canutus (Linnaeus, 1758)  Red Knot
L23~25cm W57~61cm
旅鳥
干潟・砂浜・埋立地の水たまり
【1】夏羽。手前はハマシギ。2002.04.13佐賀県大授搦にて撮影。
夏羽では顔から胸までが赤くなる中形のシギ類。
■形態
雌雄同色。夏羽では顔から腹までは鮮やかな赤褐色で、頭頂、眼先、耳羽に黒褐色の縦斑がある。背からの上面は黒い軸斑に白い羽縁があり、肩羽や雨覆には赤褐色の斑が混じる。下腹部から下は白く、黒斑がある。嘴は基部が太く、まっすぐで黒い。頭部とほぼ同じ長さ。足は緑黄色で短い。 冬羽では体上面は灰褐色、黒い軸斑に白い羽縁がある。白い眉斑があり、眼先は黒っぽい。顔からの体下面は白く、胸や脇に灰褐色の斑がある。 幼羽は冬羽に似るが、上面の各羽に黒いサブターミナルバンドが明瞭。
■鳴き声
「ノッ《「キョッ《と聞こえる声で鳴く。この「ノッ《と言う鳴き声から英吊Knotは来ている。
■行動
日本ではオバシギの群れに混じって行動している事が多い。
■採餌
貝類、ゴカイ、甲殻類等の小動物を捕らえる。
■繁殖
小高い丘等の地上に巣を作り、4個産卵する。雄が主に抱卵し、抱卵日数21~22日。雛は雄が主に世話をし、孵化後18日位で独立する。
■亜種
日本に渡来するのは亜種コオバシギ(C.c.rogersi)。 5亜種ある。 タイミール半島(シベリア北中央部)で繁殖する亜種C.c.canutus、 ニューシベリア諸島(シベリア北中央部の北)で繁殖する亜種C.c.piersmai、 チョコトスキー半島(シベリア東部)で繁殖する亜種C.c.rogersi、 ランゲリ島(シベリア北中央部の北) とアラスカ北西部で繁殖する亜種C.c.roselaari、 カナダ北中央部の北極諸島中央部で繁殖する亜種C.c.rufa、 北方のカナダの島々、グリーンランド北部およびスバールバル諸島(ノルウェー北方)で繁殖する亜種C.c.islandica
■分布
シベリア北部、北アメリカ北部、グリーンランドで繁殖し、西ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア、南アメリカで越冬する。日本には旅鳥として、春と秋に渡来する。
■福岡での事例
福岡では少ない旅鳥で、殆どが秋の幼羽個体。
【今津】2002年9月今津干潟、2007年9月に周船寺川で観察。
【糸島市】2012年9月に板持、2020年8月に荻浦で観察。

【2】夏羽。2002.04.13佐賀県大授搦にて撮影。

【3】夏羽。2002.04.13佐賀県大授搦にて撮影。

【4】幼羽。2007.09.28今津周船寺川にて撮影。

【5】幼羽。2005.09.16今津太郎丸にて撮影。

【6】幼羽。2012.09.06福岡県糸島市、板持にて撮影。

【7】幼羽。2020.08.30福岡県糸島市、荻浦幽心地蔵にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
※禁無断転載
2020/07/29作成