- 夏羽では顔から胸までが赤くなる中形のシギ類。
- ■形態
- 雌雄同色。夏羽では顔から腹までは鮮やかな赤褐色で、頭頂、眼先、耳羽に黒褐色の縦斑がある。背からの上面は黒い軸斑に白い羽縁があり、肩羽や雨覆には赤褐色の斑が混じる。下腹部から下は白く、黒斑がある。嘴は基部が太く、まっすぐで黒い。頭部とほぼ同じ長さ。足は緑黄色で短い。
冬羽では体上面は灰褐色、黒い軸斑に白い羽縁がある。白い眉斑があり、眼先は黒っぽい。顔からの体下面は白く、胸や脇に灰褐色の斑がある。
幼羽は冬羽に似るが、上面の各羽に黒いサブターミナルバンドが明瞭。
- ■鳴き声
- 「ノッ《「キョッ《と聞こえる声で鳴く。この「ノッ《と言う鳴き声から英吊Knotは来ている。
- ■行動
- 日本ではオバシギの群れに混じって行動している事が多い。
- ■採餌
- 貝類、ゴカイ、甲殻類等の小動物を捕らえる。
- ■繁殖
- 小高い丘等の地上に巣を作り、4個産卵する。雄が主に抱卵し、抱卵日数21~22日。雛は雄が主に世話をし、孵化後18日位で独立する。
- ■亜種
- 日本に渡来するのは亜種コオバシギ(C.c.rogersi)。
5亜種ある。
タイミール半島(シベリア北中央部)で繁殖する亜種C.c.canutus、
ニューシベリア諸島(シベリア北中央部の北)で繁殖する亜種C.c.piersmai、
チョコトスキー半島(シベリア東部)で繁殖する亜種C.c.rogersi、
ランゲリ島(シベリア北中央部の北) とアラスカ北西部で繁殖する亜種C.c.roselaari、
カナダ北中央部の北極諸島中央部で繁殖する亜種C.c.rufa、
北方のカナダの島々、グリーンランド北部およびスバールバル諸島(ノルウェー北方)で繁殖する亜種C.c.islandica。
- ■分布
- シベリア北部、北アメリカ北部、グリーンランドで繁殖し、西ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア、南アメリカで越冬する。日本には旅鳥として、春と秋に渡来する。
- ■福岡での事例
- 福岡では少ない旅鳥で、殆どが秋の幼羽個体。
【今津】2002年9月今津干潟、2007年9月に周船寺川で観察。
【糸島市】2012年9月に板持、2020年8月に荻浦で観察。
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