チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
オバシギ属
Calidris (Merrem, 1804)
キリアイ(錐合)
Calidris falcinellus
(Pontoppidan, 1763) Broad-billed Sandpiper
L16~18m W37~39cm
旅鳥
干潟・水田・埋立地の水たまり
【1】夏羽。2012.04.28福岡県糸島市、新田にて撮影。
先端だけが下に曲った嘴が特徴的な小型シギ類。
■形態
雌雄同色。夏羽では頭部からの上面は、黒い軸斑に、白と赤褐色の羽縁がある。白い眉斑は頭側線を挟むように、二つに分かれ特徴的。顔から体下面は白く、顔、胸、脇にかけては黒い縦斑がある。嘴は黒く、頭部より長く、先端だけが下に曲っている。足は短くて黒い。 冬羽では全体が灰色で、軸斑は黒っぽく、羽縁は白い。 幼鳥は成鳥夏羽に似るが、褐色身が強く、背の白いV字も明瞭で、脇に縦斑がない。
■鳴き声
「チョイチョイチョイ《「チョチョチリリリ《等と鳴く。
■行動
泥質のところを好む。
■採餌
嘴を泥の中に突き刺したり、水面や地面を啄んだりして、貝類、甲殻類を主に食べる。
■繁殖
ツンドラや針葉樹林帯に囲まれた沼沢地の地上に営巣する。通常4個産卵する。ややコロニー的に繁殖する。
■亜種
2亜種ある。 スカンジナビアからカニン半島(ロシア北西部) Scandinavia to Kanin Pen. (nw Russia)で繁殖する亜種
C.f.falcinellus
、 Taymyr Pen. (nw Siberia) and Lena to Kolyma rivers (ne Siberia)で繁殖する亜種
C.f.sibirica
、 日本に渡来するのは亜種キリアイ(L.f.sibirica)。
■分布
スカンジナビア半島北部、シベリア北部の亜寒帯で繁殖し、アフリカ、中東、インド、東南アジア、オーストラリア等で越冬する。日本には旅鳥として主に秋に渡来するが少ない。
■福岡での事例
福岡では旅鳥で、8月~9月頃に見られる。 【今津】周辺農耕地にて観察。
【2】夏羽。2006.05.09福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。
【3】夏羽。2006.05.09福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。
【4】夏羽から冬羽へ換羽中。肩羽などに灰色の冬羽が出ている。2005.08.07佐賀県佐賀市、大授搦にて撮影。
【5】夏羽から冬羽へ換羽中。肩羽などに灰色の冬羽が出ている。2005.08.07佐賀県佐賀市、大授搦にて撮影。
【6】幼羽。二つに分かれた白い眉班が明瞭。2005.09.05福岡県福岡市、今津工場裏にて撮影。
【7】幼羽。2010.09.09福岡県福岡市、今津元浜にて撮影。
【8】幼羽。背中の白いV字が明瞭。2006.09.05福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。
【9】幼羽。風切は黒い。2004.08.31福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/05/03作成