- 下に大きく湾曲した、20cm近い長い嘴を持つ大型のシギ類。
- ■形態
- 雌雄同色。
全身淡褐色で、黒褐色の縦斑が密にある。長く、下方に湾曲した嘴は黒く、下嘴基部は肉色。脚は長く、黒褐色。
幼鳥は嘴が短く、前頸からの下面の縦斑が細かく、淡色。三列風切が三角模様。脚は鉛色。
ダイシャクシギは同様の姿をしているが、腰や翼下面、腹から下尾筒は白い。
- ■鳴き声
- 飛び立つ時などに「ホォーイーン《「ギョイーン《と聞こえる大きな声で鳴く。
- ■採餌
- 長い嘴を泥の中に突立て、大型のカニを捕える。捕まえたカニは脚をもいで胴体だけを呑込む。
- ■繁殖
- 2~3つがいで小さなコロニーを作り、小高いところの地表に営巣する。通常4個産卵する。
- ■吊前の由来
- 江戸時代後期から「ほうろくしぎ《として、『だいしゃくしぎ《と区別されるようになった。
和吊の由来は焙烙(ほうろく)で炒ったような羽の色からとも、長く伸びた頸が焙烙の取っ手に似ていることからとも言われる。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分布
- シベリア東中央部からカムチャッカ、ウスリー(ロシア南部)、黒竜江省の内陸湿地で局地的に繁殖し、琉球諸島から、台湾、中国沿岸、東南アジア、ニューギニア、オーストラリアで越冬する。
日本には旅鳥として春秋に渡来する他、琉球諸島で越冬する。
- ■福岡での事例
- 福岡でも旅鳥で、3~5月と8月~10月に干潟などで見られる。
【室見川】2005年3月にマリナタウン海浜公園で観察した。
【今津】2005年4月、2006年3月、2011年8月、2017年4月、2021年9月など瑞梅寺川河口ので観察。2014年9月元浜、2019年9月太郎丸でも観察
【和白】2001年4月5月、2002年1月、2003年4月、2006年2月、2010年11月などに和白から雁ノ巣の干潟で観察。
【福津市】2019年8月福間海岸で記録がある。
【古賀市】2020年3月花鶴川河口で記録がある。
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