チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
ダイシャクシギ属
Numenius (Brisson, 1760)

ホウロクシギ(焙烙鴫)
Numenius madagascariensis (Linnaeus, 1766)  Far Eastern Curlew
L53~66cm W110cm
旅鳥
干潟・湿地
【1】成鳥。2001.04.13福岡県福岡市、和白干潟にて撮影。
下に大きく湾曲した、20cm近い長い嘴を持つ大型のシギ類。
■形態
雌雄同色。
全身淡褐色で、黒褐色の縦斑が密にある。長く、下方に湾曲した嘴は黒く、下嘴基部は肉色。脚は長く、黒褐色。
幼鳥は嘴が短く、前頸からの下面の縦斑が細かく、淡色。三列風切が三角模様。脚は鉛色。
ダイシャクシギは同様の姿をしているが、腰や翼下面、腹から下尾筒は白い。
■鳴き声
飛び立つ時などに「ホォーイーン《「ギョイーン《と聞こえる大きな声で鳴く。
■採餌
長い嘴を泥の中に突立て、大型のカニを捕える。捕まえたカニは脚をもいで胴体だけを呑込む。
■繁殖
2~3つがいで小さなコロニーを作り、小高いところの地表に営巣する。通常4個産卵する。
■吊前の由来
江戸時代後期から「ほうろくしぎ《として、『だいしゃくしぎ《と区別されるようになった。
和吊の由来は焙烙(ほうろく)で炒ったような羽の色からとも、長く伸びた頸が焙烙の取っ手に似ていることからとも言われる。
■亜種
亜種はない。
■分布
シベリア東中央部からカムチャッカ、ウスリー(ロシア南部)、黒竜江省の内陸湿地で局地的に繁殖し、琉球諸島から、台湾、中国沿岸、東南アジア、ニューギニア、オーストラリアで越冬する。
日本には旅鳥として春秋に渡来する他、琉球諸島で越冬する。
■福岡での事例
福岡でも旅鳥で、3~5月と8月~10月に干潟などで見られる。
【室見川】2005年3月にマリナタウン海浜公園で観察した。
【今津】2005年4月、2006年3月、2011年8月、2017年4月、2021年9月など瑞梅寺川河口ので観察。2014年9月元浜、2019年9月太郎丸でも観察
【和白】2001年4月5月、2002年1月、2003年4月、2006年2月、2010年11月などに和白から雁ノ巣の干潟で観察。
【福津市】2019年8月福間海岸で記録がある。
【古賀市】2020年3月花鶴川河口で記録がある。

【2】成鳥。2005.04.06福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。

【3】成鳥。2005.04.06福岡県糸島市、泉川河口にて撮影。

【4】成鳥。翼下面がダイシャクシギのように白くない。成鳥。2005.04.06福岡県糸島市、泉川河口にて撮影。

【5】成鳥。2014.09.23福岡県糸島市、今津元浜にて撮影。

【6】腰もダイシャクシギのように白くない。成鳥。2014.09.23福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。

【7】幼羽でも翼下面は白くない。嘴は短い。2003.09.03福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【8】幼羽。2003.09.25福岡県福岡市、今津周船寺側水門にて撮影。

【9】幼羽。2003.09.11福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【10】三列風切が三角模様の幼羽。2003.09.06福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【11】幼羽。2019.09.21福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/08/27作成