- ヘラ状の嘴が特徴的な、数の少ない小型のシギ。
- ■形態
- 雌雄同色。夏羽では頭部から胸にかけて赤褐色で、額から後頭に黒褐色の縦班がある。背からの上面は軸班が黒く、黄褐色の羽縁がある。腹から下は白く、胸から脇にかけて黒褐色の縦班がある。嘴は黒くて、特徴的なヘラ型で、真横から見ると、先端で突然細くなっているように見える。足も黒い。
冬羽では頭部からの上面が灰色で、白い羽縁がある。白い眉班があり、下面は白い。
幼羽は冬羽に似るが、頭部や上面の羽に黒班があり、白い眉班が明瞭で、副眉班のように頭頂に食い込む。
- ■鳴き声
- 日本では鳴く事は少ない。「ピィー、ピィー」と優しい声で鳴く。
- ■行動
- 日本ではトウネンの群れに混じっていることが多い。
- ■採餌
- 泥の表面を啄んで採餌したり、水中で嘴を開閉しながら左右に振り小動物を採る。繁殖期は草地で昆虫類をよく採る。
- ■繁殖
- ツンドラ地帯で繁殖し、ディスプレーフライトを行う。地上に営巣し、通常3〜4個産卵する。雌雄共に抱卵し、抱卵日数は18〜20日。巣に危険が迫ると偽傷行為をする。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分布
- ロシアのベーリング海沿岸で繁殖し、インド東部からマレー半島西部と、中国南西部で越冬する。日本では数少ない旅鳥として春秋に西日本を中心に記録される。
- ■福岡での事例
- 福岡では数少ない旅鳥で、博多湾東部で秋に見られることが多い。
【今津】トウネンの群に混じって観察された記録がある。
【多々良川】秋の渡り時期にトウネンの群に混じって観察された記録がある。
【人工島】秋の渡り時期にトウネンの群に混じって観察された。
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