チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
オバシギ属
Calidris (Merrem, 1804)
ハマシギ((浜鴫)
Calidris alpina
(Linnaeus, 1758) Dunlin
L16〜22cm W28〜45cm
旅鳥または冬鳥
干潟・砂浜
【1】夏羽。2007.4.29室見川小田部小学校横にて撮影。
干潟を密集した大きな群れで飛び回る小型のシギ。
■形態
雌雄同色。
夏羽では頭頂から背、翼は茶褐色の地に黒褐色の斑が散在する。飛ぶと風切の上部が白いため、白い翼帯となる。尾羽中央2枚は灰黒色で、他は淡褐色。顔から胸は白く、黒褐色の縦斑がある。耳羽は褐色味を帯びる。胸に黒い大きな斑があり、脇から下尾筒は白い。黒い嘴はやや下に曲り、頭部より長い。嘴の湾曲度は個体差が大きい。脚は黒い。
冬羽では頭から背は一様に灰褐色で、白い眉斑がある。下面は白い。飛ぶと白い翼帯が目立つ。
幼鳥は成鳥夏羽に似ているが、上面は黄褐色味が強く、羽縁も白っぽい。また、胸から腹に黒褐色の縦斑がある。
第1回冬羽では、雨覆に羽縁が広い幼羽が見られる。
■行動
群れで行動する事が多く、数千羽の大群も見られることがある。
■採餌
泥の中や水の中をついばんで、主にゴカイ、小さな甲殻類を食べる。
■亜種
10亜種ある。Chukotskiy Pen. グリーンランド北東部で繁殖する亜種
C.a.arctica
、 グリーンランド南東部、アイスランド、イギリス諸島南部からスカンジナビア南部およびバルト三国で繁殖する亜種
C.a.schinzii
、 スカンジナビ北部からシベリア北西部で繁殖する亜種
C.a.alpina
、 シベリア北中央部から北西部で繁殖する亜種
C.a.centralis
、 ロシア北東部からチェトコスキー半島で繁殖する亜種
C.a.sakhalina
、 オホーツク海からカムチャツカ及び千島列島で繁殖する亜種
C.a.kistchinski
、 樺太北部で繁殖する亜種
C.a.actites
、 アラスカ北西部からカナダ北西部で繁殖する亜種
C.a.arcticola
、 アラスカ西、南部で繁殖する亜種
C.a.pacifica
、 カナダ中央部で繁殖する亜種
C.a.hudsonia
。
■分布
ユーラシアと北米大陸の北極海沿岸で広く繁殖し、ヨーロッパ、北アフリカ、中東、中国南部、北米の沿岸部で越冬。
日本には冬鳥として本州以南に飛来し越冬する。
■福岡での事例
福岡では旅鳥及び冬鳥として8月〜5月に見られる。 【室見川】愛宕浜の干潟及びマリナタウン人工海浜で観察。 【今津】河口干潟及び周辺農耕地で観察。 【和白】干潟で観察。
【2】冬羽から夏羽へ換羽中。2005.4.9佐賀県東与賀町にて撮影。
【3】摩耗した夏羽。2005.7.24佐賀県東与賀町にて撮影。
【4】冬羽へ換羽中。2006.9.10今津田尻にて撮影。
【5】冬羽。2004.12.3マリナタウン人工海浜にて撮影。
【6】白い翼帯が目立つ。雨覆の羽縁が幅が広い幼羽で、肩羽根に夏羽が出始めている。第1回冬羽から夏羽へ換羽中。
【7】幼羽。白い羽縁が目立つ。2002.8.28今津太郎丸にて撮影。
【8】幼羽から第1回冬羽に換羽中。肩羽に灰色の第一回冬羽が出始めている。2007.9.1今津工場裏にて撮影。
【9】幼羽から第1回冬羽に換羽中。嘴が長く、湾曲が大きな個体。2002.9.20今津田尻農耕地にて撮影。
【10】第1回冬羽。2008.10.4室見川マリナタウン人工海浜にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2023/06/29作成