チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
ダイシャクシギ属
Numenius (Brisson, 1760)

ダイシャクシギ(大杓鴫)
Numenius arquata (Linnaeus, 1758)  Eurasian Curlew
L50~60cm W80~110cm
旅鳥又は冬鳥
干潟
【1】2006.03.20福岡県福岡市、雁ノ巣にて撮影。
下に湾曲した長い嘴を持つ、腰が白い大型のシギ類。
■形態
雌雄同色。
頭部から胸が淡い黄褐色で、黒褐色の縦斑が密にあり、腹から下尾筒は白い。上面は黒褐色で、淡い黄褐色や白色の斑があり、腰は白い。翼下面も白い。
嘴の長さは20cm近くにもなり、下に湾曲している。色は黒く、下嘴基部は肉色。足は青灰色。
夏羽では縦斑が濃くなる。
ホウロクシギと似ているが、ダイシャクシギは腹や腰、翼の裏が白いことで識別できる。
■鳴き声
飛び立つ時などに「ホォーイーン《と聞こえる声で鳴く。干潟では良く「ピピピーホーイホーイ《と鳴く。
■採餌
長い嘴を泥の中に突立て、大型のカニを捕える。捕まえたカニは足をもいで胴体だけを飲込む
■繁殖
つがいでで広い縄張りを持ち、草地に営巣する。通常4個産卵し、雌雄で抱卵し、抱卵日数は27~29日。
■吊前の由来
ダイシャクシギ、チュウシャクシギ、コシャクシギは平安時代に「さくなぎ《、室町時代には「しゃくなぎ《と呼ばれる。江戸時代中期より「だいしゃくしぎ《と呼ばれるようになった。
■亜種
3亜種ある。
ヨーロッパ西、北、中央部で繁殖する亜種N.a.arquata、 シベリア西、中央部から中国東北部で繁殖する亜種ダイシャクシギ(N.a.orientalis)、 カザフスタン西部からシベリア南西部で繁殖する亜種N.a.suschkini
■分布
ユーラシア大陸の温帯から亜寒帯で広く繁殖し、ヨーロッパ南部、アフリカ、中東、インド、東南アジアで越冬する。
日本には旅鳥として春秋に渡来するほか、冬鳥として越冬する個体もいる。
■福岡での事例
福岡では冬鳥で、8月~5月に見られ、和白干潟では越冬する。北九州市曽根干潟では多くの個体が越冬する。
【室見川】1976年3月4月、1977年9月、1978年10月に河口干潟で記録がある。 【今津】瑞梅寺川河口干潟にて観察。
【和白】和白から雁ノ巣までの干潟で観察。 【糸島市】2021年9月に泉川河口で記録がある。 【福津市】2018年5月に西郷川河口で記録がある。

【2】2003.04.05福岡県福岡市、和白干潟にて撮影。

【3】2002.1.011福岡県福岡市、和白干潟にて撮影。

【4】2001.04.13福岡県福岡市、和白干潟にて撮影。

【5】2005.04,12福岡県福岡市、今津干潟にて撮影。

【6】翼下面が白く、ホウロクシギとは異なる。2001.08.25福岡県福岡市、今津干潟にて撮影。

【7】腰も白い。2004.12.26福岡県福岡市、和白干潟にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/08/02作成