- 下に湾曲した長い嘴を持つ大型のシギ類。
- ■形態
- 雌雄同色。
頭部からの上面は淡褐色で黒褐色の縦斑があり、背から腰は白っぽい。翼は黒褐色での軸班と淡色の羽縁がある。
胸は淡い褐色で、黒褐色の縦斑がある。脇から下尾筒にかけても黒褐色の斑がある。翼下面には黒褐色の斑が全体にある。
頭央線と眉斑が白っぽく、頭側線と過眼線は黒褐色。嘴は黒く、下嘴基部が肉色で、長さは頭長の約2倍。足は灰青色。
夏冬であまり変化はないが、冬羽では淡色の羽縁が小さくなり、のっぺりした感じなる。
幼鳥は嘴が短く、三列風切りの羽縁が三角形に見える。
- ■鳴き声
- 飛び立つ時などに「ホィーピピピピピ」等と鳴く。
- ■採餌
- 長い嘴を泥の中に突立て、大型のカニを捕え、足は落としてから飲み込む。農耕地では昆虫なども捕らえる。
- ■繁殖
- 苔や地衣類が覆うツンドラの地上に営巣し、通常4個産卵する。雌雄ともに抱卵し、抱卵日数は27〜28日位。雛は5〜6週間で独り立ちし、親鳥に数週間遅れて越冬地へ向かう。
- ■亜種
- 5亜種あり、
アイスランド及びイギリス諸島で繁殖する亜種N.p.islandicus、
ノルウェーからシベリア北中央部で繁殖する亜種N.p.phaeopus、
カザフスタン西部からシベリア南西部で繁殖する亜種N.p.alboaxillaris、
シベリア北中央部で繁殖する亜種N.p.rogachevae、
シベリア北東部で繁殖する亜種チュウシャクシギ(N.p.variegatus)。
- ■分布
- ユーラシア北部で繁殖し、アフリカ、中東、インド、東南アジア、ニューギニア、オーストラリア、ニュージーランドで越冬する。
日本には旅鳥とし亜種チュウシャクシギが春秋に渡来するほか、南西諸島では冬鳥として越冬する個体もいる。
- ■福岡での事例
- 福岡では旅鳥で、4〜5、8月〜9月頃に見られる。
【室見川】マリナタウン海浜公園、愛宕、室見橋下流及び矢倉橋周辺で観察。
【今津】河口干潟及び周辺農耕地で観察。
|