チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
ダイシャクシギ属
Numenius (Brisson, 1760)

チュウシャクシギ(中杓鴫)
Numenius phaeopus (Linnaeus, 1758)  Eurasian Whimbrel
L40〜46cm W76〜89cm
旅鳥
干潟・川岸・農耕地
【1】成鳥。2008年05月02日福岡県福岡市、室見川愛宕にて撮影。
下に湾曲した長い嘴を持つ大型のシギ類。
■形態
雌雄同色。
頭部からの上面は淡褐色で黒褐色の縦斑があり、背から腰は白っぽい。翼は黒褐色での軸班と淡色の羽縁がある。 胸は淡い褐色で、黒褐色の縦斑がある。脇から下尾筒にかけても黒褐色の斑がある。翼下面には黒褐色の斑が全体にある。
頭央線と眉斑が白っぽく、頭側線と過眼線は黒褐色。嘴は黒く、下嘴基部が肉色で、長さは頭長の約2倍。足は灰青色。
夏冬であまり変化はないが、冬羽では淡色の羽縁が小さくなり、のっぺりした感じなる。
幼鳥は嘴が短く、三列風切りの羽縁が三角形に見える。
■鳴き声
飛び立つ時などに「ホィーピピピピピ」等と鳴く。
■採餌
長い嘴を泥の中に突立て、大型のカニを捕え、足は落としてから飲み込む。農耕地では昆虫なども捕らえる。
■繁殖
苔や地衣類が覆うツンドラの地上に営巣し、通常4個産卵する。雌雄ともに抱卵し、抱卵日数は27〜28日位。雛は5〜6週間で独り立ちし、親鳥に数週間遅れて越冬地へ向かう。
■亜種
5亜種あり、 アイスランド及びイギリス諸島で繁殖する亜種N.p.islandicus、 ノルウェーからシベリア北中央部で繁殖する亜種N.p.phaeopus、 カザフスタン西部からシベリア南西部で繁殖する亜種N.p.alboaxillaris、 シベリア北中央部で繁殖する亜種N.p.rogachevae、 シベリア北東部で繁殖する亜種チュウシャクシギ(N.p.variegatus)。
■分布
ユーラシア北部で繁殖し、アフリカ、中東、インド、東南アジア、ニューギニア、オーストラリア、ニュージーランドで越冬する。
日本には旅鳥とし亜種チュウシャクシギが春秋に渡来するほか、南西諸島では冬鳥として越冬する個体もいる。
■福岡での事例
福岡では旅鳥で、4〜5、8月〜9月頃に見られる。
【室見川】マリナタウン海浜公園、愛宕、室見橋下流及び矢倉橋周辺で観察。
【今津】河口干潟及び周辺農耕地で観察。

【2】成鳥。2021年05月01日福岡県福岡市、室見川愛宕にて撮影。

【3】成鳥。2013年09月04日福岡県福岡市、室見川愛宕にて撮影。

【4】頭央線がある。成鳥。2008年05月02日福岡県福岡市、室見川愛宕にて撮影。

【5】亜種チュウシャクシギは腰が白い。2005年07月28日福岡県福岡市、室見川愛宕にて撮影。

【6】亜種チュウシャクシギは腰が白い。2015年08月22日福岡県福岡市、室見川マリナタウン海浜公園にて撮影。

【7】嘴を砂の中に突き入れた。2005年07月30日福岡県福岡市、室見川愛宕にて撮影。

【8】幼羽。三列風切の羽縁が三角形。2015年08月22日福岡県福岡市、室見川マリナタウン海浜公園にて撮影。

【9】幼羽。2015年08月22日福岡県福岡市、室見川マリナタウン海浜公園にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2022/01/29作成