チドリ目
CHARADRIIFORMES
シギ科
Scolopacidae
クサシギ属
Tringa (Linnaeus, 1758)
アカアシシギ(赤脚鴫)
Tringa totanus
(Linnaeus, 1758) Common Redshank
L27~29cm W59~66cm
夏鳥又は旅鳥
干潟・水田・川岸
【1】夏羽。2004.05.12福岡県福岡市、今津水門にて撮影。
嘴と脚が赤い中形のシギ類
■形態
雌雄同色。
夏羽は頭部から上面は灰褐色で、黒褐色の縦斑、白斑がある。眼先が白く、白いアイリングがある。喉から下は白地に黒褐色の縦斑がある。黒い嘴はまっすぐで、嘴基部上下が赤い。脚は長く赤い。
冬羽では全身が淡くなり、腹から下尾筒は白っぽい。
冬羽ではツルシギに似るが、眉斑が眼先で終わること、上嘴基部も赤いことなどで識別できる。
幼羽は冬羽に似るが、脚が黄色ぽくオレンジ色、嘴基部もオレンジ色。
■行動
時には泳ぐ事もある。
■採餌
水棲昆虫や小魚、甲殻類などの小動物を食べる。
■繁殖
地上の草の上に営巣し、通常4個産卵する。雌雄共に抱卵し、抱卵日数は23~24日くらい。孵化後23~35日くらいで親から離れる。
■吊前の由来
江戸時代中期には脚や嘴基部が赤い事から「あかがねしぎ《と呼ばれていた。ツルシギとの混同もあったようだ。「あかあしちどり《「かなしぎ《などの異吊もあった。
■亜種
5亜種あり。
アイスランド、フェロー島に分布する亜種
T.t.robusta
、ヨーロッパ西部、北部からシベリア西部に分布する亜種
T.t.totanus
、シベリア北部及びモンゴルからアジア東部に分布する亜種
T.t.ussuriensis
、満州北部及び中国東部に分布する亜種アカアシシギ(
T.t.terrignotae
)、中国北西部に分布する亜種
T.t.craggi
、タジキスタン、インド北部、チベットに分布する亜種
T.t.eurhina
。
■分布
ユーラシア大陸の温帯で広く繁殖し、アフリカ、インド、東南アジアで越冬する。
日本では北海道東部で夏鳥として繁殖するほかは、本州以南に旅鳥として春秋に渡来する。沖縄諸島では冬鳥として越冬する。
■福岡での事例
福岡では旅鳥として春秋に休耕田や湿地、河口などで見られるが、多くない。
【室見川】1975年8月に旧河口部で記録がある。
【今津】2001年3月、2006年3月、2012年9月、2018年9月、2021年9月などに周船寺川水門、2002年9月、2012年8月、2016年5月などに田尻、2004年9月に6羽、2014年8月、2022年8月などに太郎丸、2010年9月、2014年8月などに工場裏にて観察。
【和白】2020年4月に和白干潟で記録がある。
【糸島市】2010年10月、2012年10月、2016年9月などに板持で観察。2017年7月、2021年9月泉川河口、2018年9月に4羽、2022年9月に荻浦で観察。
【筑紫野市】2005年9月天山で記録がある。
【福津市】2008年9月津屋崎で記録がある。
【2】夏羽。2004.05.01福岡県福岡市、今津周船寺川にて撮影。
【3】夏羽。上嘴が赤くない個体。2003.04.09福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。
【4】冬羽。2002.08.23沖縄県金武町、金武にて撮影。
【5】冬羽。2004.09.04福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。
【6】幼羽。この個体は嘴基部のオレンジ色味がほとんどない。2002.09.06福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。
【7】幼羽。この個体は嘴基部上下にオレンジ色味がある。2003.09.04福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。
【8】幼羽。この個体は嘴基部上部のオレンジ色味がほとんどない。2003.09.04福岡県福岡市、今津にて撮影。
【9】幼羽。2010.09.12福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/09/08作成