- サトウキビ畑をチョロチョロする、雄が子育てをする小さな鳥。
- ■形態
- 雄は頭部が白と黒の細かい斑で、頭頂から背にかけては褐色。上面は褐色に白と黒の斑がある。胸は黄褐色で黒い横斑がある。飛ぶと暗色の風切と、淡色の雨覆いのコントラストが目立つ。腹から下は橙褐色。嘴は鉛色。脚は鉛色で、後趾がなく、趾は3本。虹彩は淡い黄色。
雌は頭部に褐色味が少なく、腮から前頸にはっきりした黒斑がある。雌の方が大きい。
幼鳥や若鳥は雄に似るが、全体が淡色。
- ■鳴き声
- 雌は繁殖期に「ブーゥ、ブーゥ《と低い声で連続的に鳴く。
- ■採餌
- 地上を歩きながら草の実や昆虫等を採餌する。
- ■繁殖
- 一妻多夫で、雌が縄張りを持ち囀る。産卵期は4~9月で、雌が縄張りを宣言し、それに引き寄せられて雄が交尾する。地上に営巣し、通常4個産卵する。抱卵、育雛は雄が行い、孵化した雛も綿羽が乾けば、雄親の後を追って巣を離れる。
- ■吊前の由来
- 江戸時代には「ふなしうずら《として知られていたが、江戸後期に趾が3本の事から「三歩鶉(みふうずら)《とされる。当時「じゃがたらうずら《「なんきんうずら《の吊前で輸入もされていた。
- ■亜種
- 16亜種ある。
ネパールからインド北東部およびミャンマー北部に分布する亜種T.s.plumbipes、西部ベンガルの中央及び北部(インド北東部)に分布する亜種T.s.bengalensis、インド(前記以外)に分布する亜種T.s.taigoor、九州南部から琉球列島(日本)に分布する亜種ミフウズラ(T.s.okinavensis)、台湾に分布する亜種T.s.rostratus、ミャンマー東部から中国南部及びインドシナ北部に分布する亜種T.s.blakistoni、ミャンマー南中央部に分布する亜種T.s.pallescens、タイ北西部及び中央部に分布する亜種T.s.thai、ミャンマー南部、タイ南部、マレー半島に分布する亜種T.s.atrogularis、スマトラ、ジャワ、バウェーン、ビリトン、バンカ、バリに分布する亜種T.s.suscitator、ロンボクからアロル(小スンダ列島)に分布する亜種T.s.powelli、スラウエシに分布する亜種T.s.rufilatus、パラワンとその周辺の島々(フィリピン)に分布する亜種T.s.haynaldi、ルソン、ミンドロ、マスバテ、シブヤン(フィリピン北部)に分布する亜種T.s.fasciatus、セブ、ギマラス、ネグロス、パナイ(フィリピン)に分布する亜種T.s.nigrescens。
- ■分類問題
- 日本鳥類目録第7版ではツル目からチドリ目へ変更になったが、形態はキジ目のウズラによく似ている。
- ■分布
- インド、スリランカから東南アジア、フィリピン、中国東南部、台湾に分布する。
日本では亜種ミフウズラが南西諸島に留鳥として繁殖している。本州(山梨)や九州(鹿児島、種子島、馬毛島)でも記録がある。
- ■福岡での事例
- 福岡では記録がない。
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