- 脚がピンク色の大型のカモメ。
- ■形態
- 雌雄同色。
夏羽では頭部から頸、体下面、尾は白く、背と翼は青灰色。背の青灰色はウミネコより薄い。次列・三列風切先端は幅広く白い。初列風切はP10からP6~P4まで黒く、先端に小さい白斑がある。P10には白いミラーがあり、P9にあるものもいる。足はピンク色だが、黄色味を帯びたものもいる。嘴は黄色く、下嘴の先に赤い斑がある。
冬羽では頭部から頸にかけて灰褐色の斑が入る。
幼鳥は全身褐色で、褐色の肩羽は淡色の羽縁の切れ込みが多い。初列風切は黒褐色。嘴は黒く、虹彩も暗色。
第1回冬羽は肩羽が錨型模様になり、嘴基部がピンク色になる。後期には磨耗が進み白っぽくなる。
第2回冬羽では肩羽に青灰色が混じる。
第3回冬羽では肩羽は青灰色になり、雨覆、三列風切も青灰色が混じる。
第4回冬羽ではほぼ成鳥冬羽に似るが、嘴に黒斑が残る。
成鳥になるまで4年かかる。
- ■鳴き声
- 「クワワワワワッ《と大きな声で連続して鳴く事が多く、セグロカモメよりも濁りがない。
- ■採餌
- 魚類、貝類、甲殻類、小動物等の死骸を餌にする。繁殖期は魚類、鳥の卵、草の実なども食べる。
- ■亜種
- 2亜種ある。
アルタイ共和国からバイカル湖(ロシア南中央部)およびモンゴル、 ハンカ湖(黒竜江省、中国北東部)、黄海の島嶼(朝鮮半島西部)で繁殖する亜種モンゴルカモメ(L.v.mongolicus)、
タイミルからチュクチまでの北極圏のシベリア中央、東部、ニューシベリア諸島(オストロヴァ・アンジュ:ロシア北中央部沖) およびセントローレンス島(ベーリング海北部)で繁殖する亜種セグロカモメ(L.v.vegae)。
亜種セグロカモメは日本鳥類目録7版まではヨーロッパセグロカモメ(Larus argentatus)の1亜種セグロカモメ(L.a.vegae)ととされていた。
また、亜種モンゴルカモメは日本鳥類目録7版まではキアシセグロカモメ(Larus cachinnans)の1亜種キアシセグロカモメ(L.c.mongolocus)ととされていた。
- ■分布
- シベリア北西部とバイカル湖周辺で繁殖し、朝鮮半島から中国沿岸部、日本で越冬する。
日本には冬鳥として亜種セグロカモメが全国に渡来するほか、亜種モンゴルカモメも西日本を中心に少数が渡来する。
- ■福岡での事例
- 福岡でも亜種セグロカモメは冬鳥。9月~4月頃普通に群れが見られる。群れの中に亜種モンゴルカモメが混じることもある。
【室見川】河口から小田部大橋くらいまでの流域で冬季普通に見られ、亜種モンゴルカモメも観察できた。
【今津】瑞梅寺川河口や周辺沿岸で冬季普通に見られる。
【大濠公園】舞鶴公園から大濠公園の水際で冬季普通に見られる。
【志賀島】海水浴場や漁港、周辺会場で冬季普通に見られる。
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