- 黄色い嘴と足の、ウミネコと同大のカモメ類。
- ■形態
- 雌雄同色。
頭部から頸、体下面、尾は白く、背と翼は青灰色。背の色はセグロカモメとほぼ同じで、ウミネコより薄い。脚は黄色く、嘴も黄色いが、先端近くに上明瞭な黒い斑が残っているものもいる。 。
冬羽では頭から胸にかけてに灰褐色のごま塩状の小斑が入り、嘴や足は灰色味を帯びる 。
頭部の形が丸く、同大のウミネコに混じっていても、はっきり違いが分かる。
3年目で成鳥羽になる。
- ■鳴き声
- 甲高い声で「キュッキュッ、キュー《等と鳴く。
- ■吊前の由来
- カモメ類全体を、奈良時代には「かまめ《または「かもめ《、平安時代からは「かもめ《として知られる。語源としては、新井白石の鴨に似て小さいので鴎妻(かもめ)という説や、鴨のように群れることから鴨群(かもめ)や、幼羽の羽模様を籠目として、その音変化でかもめとなったというのもある。
- ■亜種
- 3亜種ある。
アイスランド及びイギリス諸島から白海で繁殖する亜種ニシカモメ(L.c.canus)、
ロシア西部からシベリア中央部で繁殖する亜種ニシシベリアカモメ(L.c.heinei)、
シベリア南東部で繁殖する亜種カモメ(L.c.kamtschatschensis)。
- ■分類問題
- 日本鳥類目録第7版ではコカモメ(Larus brachyrhynchus)もカモメの亜種コカモメ(L.c.brachyrhynchu)として、本州での渡来記録を掲載している。
- ■分布
- ユーラシア大陸北部、イギリス、サハリン、千島列島、アラスカで繁殖し、ヨーロッパ、アフリカ北部、ペルシャ湾、中国東部、朝鮮半島などで越冬する。
日本には亜種カモメが九州以北に冬鳥として渡来する。亜種ニシシベリアカモメの記録も本州である。
- ■福岡での事例
- 福岡では冬鳥で11月~4月頃見られるが、室見川以外は少ない。
【室見川】2000年10月以降毎冬確認。毎年100羽ほどの群れが河口から小田部大橋くらいまでの流域で観察。
【今津】2000年12月瑞梅寺川河口で観察。
【大濠公園】2002年02月に観察。
【和白】2004年12月に観察。
【志賀島】2003年02月に観察。
【能古島】2020年3月に記録がある。
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