チドリ目
CHARADRIIFORMES
チドリ科
Charadriidae
ムナグロ属
Pluvialis (Brisson, 1760)

ムナグロ(胸黒)
Pluvialis fulva (Gmelin, JF, 1789)  Pacific Golden Plover
L23~26cm W60~72cm
旅鳥
水田・畑・干潟
【1】夏羽。2002.05.09福岡県福岡市、今津田尻にて撮影にて撮影。
黄褐色と黒の斑、白、黒のコントラストがきれいな、ダイゼンに似た大型のチドリ。
■形態
雌雄同色。
夏羽では頭頂からの上面が黄色、黒、白の斑が点在する。風切は黒い。額からの側頸、脇、下尾筒まで帯状に白く、顔からの下面中央は黒い。翼下面腋羽は淡褐色。嘴は黒く、細い。脚は黒色で、後趾がなく趾は3本。
冬羽では全体が黄褐色となり、黒褐色の斑が点在する。腹部は汚白色。
幼鳥は冬羽に似るが、黄色みが強く、上面の斑も多い。
よく似たヨーロッパムナグロとは嘴が長く、翼下面が白くない事、脚が長く、飛翔時に脚が翼端より出る、鳴き声が違うなどの識別点がある。
■鳴き声
「ピウイウイ《「キビュー《等と鳴く。
■行動
ダイゼンより乾いた環境を好み、外洋に面した干潟より、内湾の河口干潟などを好む。
■採餌
畑、草地などで主に昆虫類を採る。干潟では甲殻類やゴカイも食べる。
■繁殖
地衣類の生えたツンドラ地帯の地上に巣を作る。つがいで縄張り持ち、通常4個産卵する。抱卵日数は約26~27日。
■吊前の由来
江戸時代前半に胸が黒い事から「むねぐろしぎ《と呼ばれ、上面に黄斑がある事から「きびしぎ《「むぎわらしぎ《の異吊などのがある。「あひぐろしぎ《の異吊は胸の黒斑を藍黒色とみたものと言われる。
■亜種
亜種はない。
■分布
シベリア北部、アラスカ西部で繁殖し、西アフリカ、インド、東南アジア、ニューギニア、オーストラア、ニュージーランドで越冬する。
日本では旅鳥として春と秋に渡来する。
■福岡での事例
福岡では旅鳥として4~5、8~10月頃農耕地で見られる。
【室見川】1976年8月、1977年5月、1978年4月、8月に旧河口部で記録があるが、2000年以降確かな記録はない。
【今津】2001年4月太郎丸で観察以来ほぼ毎年周辺農耕地で観察。
【糸島市】2010年9月新田で14+羽を観察。

【2】夏羽へ換羽中。2005.04.19福岡県福岡市、今津田尻にて撮影にて撮影。

【3】夏羽へ換羽中。2005.04.19福岡県福岡市、今津田尻にて撮影にて撮影。

【4】夏羽。2004.04.18福岡県福岡市、今津田尻にて撮影にて撮影。

【5】摩耗した夏羽。2003.09.03福岡県福岡市、今津周船寺川水門にて撮影。

【6】冬羽へ換羽中。顔から喉の黒い部分が薄れ、雨覆が冬羽へ換羽している。2004.04.18福岡県福岡市、今津田尻にて撮影にて撮影。

【7】冬羽。2004.04.18福岡県福岡市、今津田尻にて撮影にて撮影。

【8】冬羽。全体に黄色味がなくて、アメリカムナグロ的な個体。2004.04.19福岡県福岡市、今津田尻にて撮影にて撮影。

【9】幼羽。2002.9.12福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。

【10】飛翔。腋羽は淡褐色。幼鳥。2014.09.23福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。

【11】飛翔。腰は白くない。幼鳥。2014.09.23福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/09/07作成